『夏への無意識』
RETROSPECTIVE-CITYBOYS LIVE![BOX3] [DVD]
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2006/04/12
- メディア: DVD
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三人のサラリーマン風の男たちが、公園で時間を潰している。実は男たちは無職で、それぞれ別々の場所で時間を潰していたが、それではあまりにも孤独なので、三人で公園に集まって時間を潰していたのだ。その日は、落ちていた書類に通し番号を打つことになった。その労働には達成感があるが、お金は稼げない。そこで、男たちは考えた。何処かの企業から下請けの仕事を受注して、それを公園で片付けていけば、金も稼げるし、時間も潰せると。つまり、公園で会社を経営しようと考えたのだ。彼らはその会社を“漂流商事”と名づけ、様々な仕事を片付けていく。
この通称『漂流商事』が、この公演全体を表していると言っても、過言ではない。とにかく面白いのだが、どうも徹底的に、この公演からはペーソス感が漂っているのだ。公園で企業を起こし、公園で仕事をしている三人の中年。捨てられてしまったモノたちの生まれ変わりが、沼で広げる雑談。天狗であるということを理由に、どんどん卑屈になっていくアルバイター。そして、捨てられた犬と壊れかけのロボットの旅路。その全ての世界観は歪んでいてオカシイのだが、その全てのコントから、ひたすらペーソス感。物悲しさが、滲み出まくっているのだ。まるで、常に、夕焼けであるかのように。徹底的に寂しく、切ない。だけども、やはりこの公演はコミカルで、バカバカしく、面白いのだ。中年じゃなくては出せないこの味を、堪能していただきたい。