やがて哀しいコント集
- 出版社/メーカー: R and C Ltd.
- 発売日: 2004/02/25
- メディア: DVD
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とにかく変で切ないコントばかりが披露されていた、この公演。落ちてくる鉄骨から助けるために少年を突き飛ばすつもりだったのに、うっかり突き刺してしまった鹿の哀愁(?)漂う『少年と鹿と鉄骨』。夜中に、日本の夜明けを探して回っている男たちと、彼らの教師の会話を描いた『日本の夜明け』。ヘリコプターに育てられた子どもと同じクラスだった男の思い出話を再現した『お母さん』。それらのコントは、全て不条理で、非現実的で、だけども情けないほどに切なさに溢れている。何度も目頭が熱くなりましたよ、正直な話。だけども、その気持ちを思いっきり冷めさせる……というか、ゾッとさせるコントが一本あり、それの衝撃たるや……うん。そのコントとは、『ダンボくん』。あまり詳細を書くとアレなので、見た人にだけ分かる説明になりますが……ご了承ください。
『ダンボくん』は、間違いなくコントなのである。その笑いのロジックはしっかり出来上がったモノで、芝居的というよりは、やはりコント的なのだ。だけども、このコントは笑えない。笑う空気ではない。いや、僕は笑ったけど、いわゆるフツーの人は笑えないんじゃないか。展開が、とにかくハード過ぎて、まったく笑えない。いや、笑う余地が与えられていないと言って良い。だけど、コントなんだよなぁ……いやー、凄い。凄かった。登場する三人、全てが哀しかった。だけど、面白かった。なんなんだろな、このコントは。
兎にも角にも全体的に、面白かった。全てのコントが、しっかり面白かった。たまに、長いコントと短いコントが混雑している構成に驚いたりしましたが、実に笑いました。やや久しぶりに、ガッツリ笑いました。自分の中のお笑いリスペクト芸人の中に、彼らの名前も連ねておこうと思います。うん、素晴らしい!