菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

大きく字を描いて。

どうして、そこまで自らを削るのか。2004年に結成10周年を迎えたお笑いコンビ、ダイノジの記念ベストコントライブを収録した本作は、その前に発売された『俺道』よりも優しい口当たりで、アッサリとした内容になっている。ただ、やっていることは前作以上。おおちは『デブドラム』にて自らの肉体の肥大っぷりを晒し、ナルシストになりたくもなれずにいる自分の悲哀を嘆く。その一方で、大谷は『ナルシスト飼ってよ!』にて、自らの日常でのナルシストっぷりをおおちに観客へと伝えられるという半自虐的行為に取り組む。その姿はまるで何かしらのプレイの様であり、それを思うと『灰色の男』の中に登場する同性愛者の姿は、まるで彼ら自身のことではないかと思わなくもないわけである……いや、そんなことはないが。なんだかんだで彼らの本質は、『MOTEL』におけるナルシスト精神にあるのではないかと。二人のナルシストの、堂々とした自虐精神は、映像となって昇華するんだぜ(by山口隆風)。ところで、『ナルシスト飼ってよ!』で言及されている“姫”というのは、今の大谷氏の嫁なのだろうか。そりゃ、ドキドキも止まらないだろうなぁ。

・本編
「笑いの神様」「ダイノジ漫才 〜水の神様〜」「神様のミス」「GOD」「新・声に出して読みたい日本語2004」「ナルシスト飼ってよ!」「闇将大谷監督」「灰色の男」「サヨナラホームラン」「デブドラム」「おばあちゃん」「おばあちゃんの知恵袋」「職員室」「ダイノジロック」「土手 〜告白〜」「土手 〜ナゲル〜」「土手 〜不良〜」「土手 〜釣り〜」「土手 〜覚醒〜」「MOTEL」「異味」「タクシー無線」「観覧車」「ダイノジ漫才 〜再会〜」「ハッピーノート」
・特典
「笑いの神様 〜ルミネ楽屋編〜」「大地家の人々」「マラドーナ」「ダイノジ落語」「独占インタビュー! ダイノジ大谷ノブヒコ中日ドラゴンズを語る」「笑いの神様 〜大谷編〜」