菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

舞台で蘇る太宰治。

イッセー尾形 読む!書く!創る!ダザイオサム [DVD]

イッセー尾形 読む!書く!創る!ダザイオサム [DVD]

  • イッセー尾形
    • 尾形一成
    • 本編:約87分
    • 2006年2月5日、北千住THEATRE1010にて収録。

うーん……どうなんだろうなあ、と。そもそも僕は、太宰治の小説を読んだことがないので、この雰囲気が太宰治っぽいのかどうかが、よく分からない。一応は“文豪シリーズ”ということなので、少なからず太宰治の世界を意識した作品作りになっているのではないか、とは思うのだけども。よく分からん。なにせ、太宰治である。爆笑問題太田光が愛していた文豪であることしか知らん。知らんけども、なんとなく感じたことが一つ。それは、一つ一つの舞台が、なんだか、痛いということ。痛いと言うのは、いわゆるカンチガイ人間のことではない。日常における、リアルな人間性というヤツである。それが痛いほどに伝わってくる。田舎の女性が地元の人間について語っている『祭り』、仕事場に行きたくない感情に囚われている『パソコン青年』、ハイテンションでどことなく空回っている『ホステス』……その中でも痛かったのが『仮面』というコント。二代目社長の父親を持つ三代目の息子の苦悩。状況が自分に似ているためか、妙にノメり込んでしまいました。途中、「生まれてきてゴメンなさい!」と叫んだところは、本当に泣いてしまうのかと。ひたすらリアリティに人間の深部を追及し続けていた本公演は、非常に素晴らしいものであったように思います。人間の色々な部分を再現して、実に素晴らしい。素晴らしいついでにお願いしよう、夏目漱石版もDVDにしてください。お願いします。いちばーんーぼしがー……なーがーれーましたー♪

「オープニング」「お祭り」「パソコン青年」「ホステス」「巨匠カメラマン」「バーテン 文豪編」「教頭」「仮面」「エンディング」