菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

傑作演映2006『吹越満 mr.モーション・ピクチャー』

フキコシ・ソロ・アクト・ライブラリー2005 「mr.モーション・ピクチャー」 [DVD]これは、面白いのだろうか。笑えるというのとは、また少し違う気がする。何か惹きつけられるモノがあることは確かだし、ところどころで「あ、ここは狙っているんだろうなァ」と思える部分も見られる。ただ、このDVDは総じて笑えるものではない。「笑える」というよりは、「楽しめる」というべきかもしれない。オープニングのパントマイム前説から、映画のタイトルをパロディしたショートコント、テーマとなる擬音をパントマイムで表現するコントに、テレビの視点で世界を見るパフォーマンス……それら全てが、笑わせるというよりも、楽しませるということに一貫しているように思えるのだ。裏ジャケに書かれているように、このDVDの総評は「なんなんだこれは!?」である。そして、そのスタイルは小林賢太郎ソロライブ『ポツネン』に通じている部分があるように思える。無論、吹越のほうが先であるし、吹越よりも『ポツネン』のほうが笑いを狙ったものではあるが……って、それは良いことなのか、悪いことなのか。吹越が俳優という職業である以上、決して悪いことではないように思う。

11月22日・収録時間:約105分