菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

傑作演映2006『東京03 夏下手男』

お笑いタイフーンDVD 東京03 夏下手男アルファルファの豊本・飯塚に、プラスドライバーの角田。この三人が合体して、東京03が誕生したのであった……という瞬間から、早くも三年が経過した。東京03は2003年に結成された。結成当初、僕は嬉しかった。しかし反面、寂しくもあった。僕はアルファルファというコンビが、本当に大好きだったのである。特に豊本さんの、妙に大人なスタンスでありながらウザったいボケが、たまらなく好きだった。そんな豊本さんのボケが、東京03になってから随分と弱まった。飯塚さんの激しいツッコミとか、角田さんの激しいボケばかりがクローズアップされて、豊本さんは小ボケというポジションではあったけれども、正直、あまりいてもいなくても変わらないような役柄ばかりが与えられていたように思う。それでも、ちょっとずつ東京03のネタは少しずつ改善されていった。豊本さんの出番は勿論、飯塚さん・角田さんのやり取りも激しさを増し続けた。そんな折に発表された、東京03の第4回単独ライブ『夏下手男』のDVD発売。そこで、東京03は……結成から三年しか経過していないというのに、完成された芸をまざまざと見せ付けたのだった。ダメな教師二人と生徒のやり取りが巧妙な『熱血教師』、暇な大人達が時間を潰すためにやり始めたことが白熱していく『ストップウォッチ』、珍しく旧アルファルファの二人が角田さんを翻弄し続ける『ちょっと図々しい男』など……日常と非日常の微妙なラインの会話が、ギリギリ成立している不思議なコント世界。技術点においては、他の若手芸人の追随を許していない。2006年に発売されたお笑いDVDの中では、一番にオススメしたい作品だった。これは、凄い。

10月25日・収録時間約130分