進むは修羅か極楽か『漫才ふたり旅』

東京ダイナマイト 漫才ふたり旅 [DVD]

面白いということは、どういうことなのか。最近、様々なお笑いを理屈で考えるようになってしまった僕は、どうもこういった問題で頭を抱えてしまうことが多くなってしまいました。これは僕としては面白いと思うのだけれども、世間一般的にはどう感じ取られているのだろうか、とか。僕の面白いと感じることが、決して世間一般に面白いと思われることになるということは、まず無い。それでも審美眼を磨かなくちゃならないお笑い評論稼業（いや、これで飯を食ってるわけではないけれども）……なんとも難しいモノでございます。そんな優柔不断な僕とは違い、ただひたすら自らの道を歩き続けている男たちがおります。その名も、東京ダイナマイト。今回は、東京ダイナマイトが2006年に行った漫才全国ツアー『MBC〜漫才ベースボールクラッシック〜』の裏側ドキュメンタリーDVD、『漫才ふたり旅』をご紹介。
この『漫才ふたり旅』は、先にも書いたようにドキュメンタリーDVDになっております。つまり、ネタDVDではないんですね。ところどころに各地での漫才の様子が映し出されていましたが、内容はあくまでも全国を廻っている東京ダイナマイトのドキュメンタリーです。これを「笑えるか、笑えないか」で言うと、まあ、「どっちかというと笑える」内容になっていたと思います。舞台裏では舞台以上に無茶苦茶なハチミツ二郎と、そんなハチミツにそれなりに付き合っている松田大輔。この二人の姿は、「笑える」というよりは「面白い」。世間では「ネタは上手いが技術が足りない若手が多い」と言われている昨今において、東京ダイナマイトは「技術力のある若手芸人」であるように思います。……うーん、なんか理屈っぽいなあ。とりあえず、東京ダイナマイトの存在自体が好きな人は勿論、いわゆるバカなことをやっている芸人の姿を楽しみたい人には良い内容のDVDだったように思いました。うん、これは面白かった。ちなみに、特典映像に収録されている漫才『雨ニモ負ケズ』『BEER』『タクシードライバー 2006』は、個人的にもうちょっとでした……というか、短かった。もうちょっと魅せてほしかったなあ。

・特典
漫才「雨ニモ負ケズ」
漫才「BEER」
漫才「タクシードライバー 2006」
おもしろクイズコーナー
・収録時間：本編128分＋特典映像21分