菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

品川庄司の『MANZAIドライブ』

MANZAIドライブ [DVD]

MANZAIドライブ [DVD]

中古屋で見かけた、品川庄司の漫才ライブDVD『MANZAIドライブ』。以前から、このコンビの漫才は気になっていたので、小金を掻き集めて購入してみた。微妙に高めの1,980円という値段が引っ掛かったけれども、原価で購入するよりもずっと得だと思ったので、割とすぐに財布の紐が緩んだ。ただ、値段だけが理由だったわけではなかったりする。この頃の僕はなんとなく、品川庄司の漫才について考えたかったのである。M-1グランプリ2005で見た彼らの漫才が、どうも品川庄司の漫才ではなかったように思えたのだ。……そんなわけで、感想。
改めて見てみると、品川庄司の漫才は掴みどころがないなあ。品川さんのボケは傾向がハッキリしているし、庄司さんのツッコミもシッカリとしている。けれども、なんだか掴みどころがない。ちゃんとしたネタを作っているし、弁も立っていると思う。だけども、どういうわけだか掴みどころがない。その理由について色々と考えた末に、ある結論に至った。おそらく、その原因は品川祐という人物にある。品川庄司の漫才の多くは品川さんによって書かれていると思うのだけれども、このネタがどうもパターン化しているようなのだ。おそらく品川さんは、小林賢太郎や設楽統と同じ「自らの“笑いの法則”に倣ってネタを作る」タイプの芸人さんだと思うのだけど、その“笑いの法則”のパターンが先の二人に対して、(漫才に関しては)非常に少ない。そのため品川さんは、自らの数少ない法則をどうにかこうにか試行錯誤して、何本かの漫才にしている。だからなのか、品川庄司の漫才はバリエーションが優れていないような気がする。いわゆるベタな笑いとは一線を引いた「同じ傾向の笑い」が、彼らの漫才からは臭ってくるのである。たまに、トーク番組における品川のスタンスが気に入らないと言っている人がいるけれども、その理由がここにあるのではないかと思ったりする。いや、僕は好きですけどね。この傾向が、『MANZAIドライブ2』ではどんな感じになっているのか……後日、感想を上げる予定であります。

・内容
『MANZAI #1(学校の先生)』『品川庄司 A to F』『MANZAI #2(品川祐辞書)』『品川庄司 G to M』『MANZAI #3(コンパでモテる方法)』『品川庄司 N to T』『MANZAI #4(コンプレックス?)』『品川庄司 U to Z』
・特典映像
『デビュー時 赤面 秘映像』(初めての漫才を収録)
・収録時間:本編60分+特典7分