燃えろ! 『アントニオ』! 飛ばせ! 『ジャイアント』!
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2007/04/25
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では、とりあえず『アントニオ』の紹介から。若手らしからぬオーソドックスなしゃべくり漫才を展開させた『MANZAI』を始めに、有田が違うキャラクターで同じ展開を繰り返したショートコント『待ち合わせ』、王様ゲームであぶれた二人の時間潰しの様子を描いた『合コンにて…』の三本を収録。特に、そのしっかりしたネタの練りっぷりを感じさせられたのが、最後の『合コンにて…』。まったくの他人が二人っきりで時間を潰すことになった時の気まずさを滲ませた、とてもリアルなコントだった。なんとなく、バナナマンのコントを彷彿とさせ、彼らの芸風に少なからず影響を与えたのかもしれないなあ、と思った。伊達に早稲田と立教を中退していない、頭を使ったコントだった。ただ、VTRコントは一昔前のセンスで、その落差は……うーん、あえてノーコメント(笑)
一方の『ジャイアント』。こちらは『アントニオ』に対し、変化球的なコントが多かった印象。公衆電話で交わされている会話から電話相手を妄想する『公衆の電話』、二人の会話の内容と心境のズレがおかしい『心の中は…』、有田が準備してきた声の出る人形で漫才をする『新しい相方』の三本を収録しているのだけれども……うーん、『心の中は…』と『新しい相方』が、もろにアンジャッシュの『心の声』と『ピーポーくんの交通安全教室』だったのが……なんとも。どっちが先でどっちが後か? んー……まあ、アレコレ考えたところでどうこうなるものでもありませんな。どっちも違った面白さがあるので、それで良いかと思うことにしまつ。糾弾したところで、昔の話ですし……ねェ?
そんなこんなで堪能した『アントニオ』『ジャイアント』でしたが……いやー、面白かった。関東系の芸人といえば、M-1グランプリの決勝で活躍したおぎやはぎやアンタッチャブルが印象的で、僕もそっち系の芸人こそが関東芸人の代表格だと思っていたわけですけど、考えを改めることにしました。ボキャブラ天国の頃に活躍していた関東系芸人も、間違いなく関東系芸人としての系譜を繋いでいたんですね……いや、今更です。物凄く今更な話ですが、それを再認識できたという意味で、このDVDはとても考えさせられるものだったと思います。いやー……他のキャブラーたちのビデオもDVDにならないかなあ……。
・『アントニオ』内容 「MANZAI(タクシー)」「事件(VTR)」「待ち合わせ」「海砂利水魚のネタが出来るまで(VTR)」「合コンにて…」「スター密着レポート24時(VTR)」 ・収録時間:60分
・『ジャイアント』内容 「公衆の電話」「世界スーパースター列伝(VTR)」「心の中は…」「陰口(VTR)」「新しい相方」 ・収録時間:57分