脂乗り切り『This is コント』
エレキコミック第14回発表会 「THIS IS CONTE」 [DVD]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: DVD
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再生して早速、コントが始まった。オープニングコントはライブのタイトルでもある『This is コント』。ジャケ写の絵画を盗みに来た二人組の泥棒のやりとりを描いたコントだ。タイトルを意識していたからなのか、妙に説明口調で状況を語っていたり、「静かにしろ」と言うたびに大きな声になっていったり、ベタなボケが目立つ。しかし、一方でキラリと光るボケも幾つか垣間見え、穴開き手袋を「京極夏彦モデル」と言ってみるセンスには、開始から二分にも関わらず早くも脱帽させられた。これ以降のコントもエレキコミックらしい内容のものばかりで、やっつんシリーズの最新作『やっつんブライダル』や、とにかくやついの顔芸だけで乗り切ろうとする試み自体がおかしい『DERU』など、妙にクスクスさせられるものばかりだった。
そんなコント群を出し抜くように、今回のライブで最も印象に残ったものが幕間VTR『ドキュメンタリー at 池袋コミュニティ・カレッジ』。VTRの内容は非常に単純で、エレキコミックのコント映像(恐らく、前回公演で披露された『ユーモア教室』を見せたのだと思われる)を、池袋コミュニティ・カレッジ主催の“コント作家養成講座入門者クラス”受講生に分析してもらう、というものである。この受講生たちが、とにかくエレキコミックのコントを褒めない。アレがダメ、コレがダメと本音を漏らす漏らす。と、そこへエレキコミック本人が登場。彼らの前でコントを披露する(ここでは『銭湯』を披露していた)。その後、その受講生たちに改めて分析をさせてみると……先ほどよりも、評価が格段に上がっていた。恐らく、エレキコミックは意図的に評論家に対して批判をしたわけではなかったと、思う。でも、それは間違いなく、評論家に対する一種の批判になってしまっていた、と思う。思うだけの話で、そんなことはどうでも良いのである。……で、どうして副音声が無いのか。期待してたのになあ……。まあ良いや。当面、エレキコミックがソーカ芸人になることは無いだろう。それを確認できただけでも、良かった良かった。
・収録内容
「This is コント」、「苦情電話」、「ハリウッド・スター」、「ドキュメンタリー at 池袋コミュニティ・カレッジ」(VTR)、「やっつんブライダル」、「ボール取って下さい」、「エビちゃん IN the TAXI」、「エロ川淳二のよーく聞くとただのエロい話」(VTR)、「DERU」、「やっつんだっつん」、「おまけ」
・収録時間:88分
・詳細:2006年5月5日〜5月8日、新宿シアターサンモールにて収録