プレイバック『激ミルク』
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2002/02/21
- メディア: DVD
- 購入: 3人 クリック: 74回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
一本目は『HIPPOPOTAMUS』。カバの飼育係が甥の頼みでカバについて講演を行うことになるというコント。日村と設楽の生活感のある演技が光ったコントで、舞台が本当に公民館の一室であるかのようだった。特に、最近はあまり見ることの出来ない設楽の演じる“飼育係の叔父さん”が絶妙。途中のやたらドラマチックな展開も、バナナマンらしい流れだった。二本目は『LOST NATION』。日本という国が過去のものになっている設定の世界で、ある二人が日本について語るというコント。ほぼ同じテーマのものをラーメンズ*1やバカリズム*2がやっているが、これはこれでちゃんとバナナマンらしい設定になっている。劇中の設楽の「ああ、未来に行ければ良いのに……」というセリフは、バナナマンのコント史上でも屈指の名台詞。全体から漂う胡散臭い雰囲気は、なんとなく雑誌『ムー』を彷彿とさせた。三本目の『張り込み』は、爆笑オンエアバトル第三回チャンピオン大会で披露されたもの。基本的な内容は同じだが、番組ではカットされた下ネタは貴重……ではないか。タモリのくだりは何度見ても、バカバカしくて面白い。ほぼ日村の一人相撲になっているあたり、最近のバナナマンしか知らない人でも楽しめそうだ。四本目、シメを飾るのは『CLEVER HOSTAGE』。誘拐犯の日村と誘拐された設楽のやりとりをコミカルに描いたコントである。バナナマンのコントの中でもブラックユーモアに富んだ作品であり、『世にも奇妙な物語』の脚本にされてもおかしくはない内容になっている……タモリじゃねえよ!
こうして改めて観ると、この時期のバナナマンは様々な方向性のコントを作ることによって、自らのスタイルを模索しているように思う。事実、このDVDで披露されている四本のメインコントは、それぞれ全く違う方向性のものだ。ひょっとしたら、この四つのコントから、一つの主軸を見出そうと試みていたのかもしれない。……ただ、この四つの方向性は現在のバナナマンにも継承されている感があり、別に一つに限定しようとしたわけではなく、それら全てがバナナマンのスタイルとして存在していただけなのかも、かもかも。
・内容 『HIPPOPOTAMUS』『LOST NATION』『張り込み』『CLEVER HOSTAGE』 ・特典 『THIRD PERSON』『赤えんぴつ』『演説』『ジャパニーズハートフルソング』『幸福の赤いえんぴつ』『エキストラ大器晩成』 ・収録時間:67分+特典40分 ・詳細:2001年2月、新宿・THEATER/TOPSにて収録