プレイバック『俺道』
- 出版社/メーカー: R and C Ltd.
- 発売日: 2004/01/28
- メディア: DVD
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DVDは、大谷ノブヒコ(現・大谷ノブ彦)の語りで幕を開ける。「10年前、今はなき、西新宿にあった旧・新宿LOFTで生まれて初めて人前で漫才をやった」……こういう語りでライブを始める芸人が、他にいるだろうか。ひょっとしたら、存在するかもしれない。実際、大谷の様なナルシスト芸人は数多に存在する。しかし、語りのなかにeastern youthやblood thirsty Butchersといったバンドの名前を入れることが出来るのは、おそらくこの男だけだろう。ダイノジの芸にはロックバンドのファンが多いということを、上手く利用している。語りが終われば、やけに格好良いロックサウンドとともに、ダイノジの紹介VTRが流れ始める。カッコ悪いほどにカッコ良さを気取る彼らの姿は、実にカッコ良い。それが終わると、遂にダイノジの舞台の幕が開く。大勢の観客を盛り上げながら、一発目に披露されたネタは『ダイノジのモテるショウ』だ。爆笑オンエアバトルで初オンエアを飾ったときに披露した、あのショートコントだ。ほんのサワリだけを披露し、再び暗転に入る。さあ、ダイノジライブの始まりだ。
こうして、改めてダイノジのライブ『俺道』を見ると、僕の記憶に残っているダイノジの映像よりも、ずっとナルシスト指数が高い。ドリフのバカ兄弟に対するリスペクトにも取れる『二人歩記』や、大谷が言いたいことを言っているだけのような一人舞台『ハードボイルド』、後に東京ダイナマイトがキャラクターをカバーしたことで知られている『渡り鳥A』などは、その傾向が他のネタよりも強く出ている。そして、彼らのナルシストっぷりが強く出ているだけ、ネタとしても面白い。ただ、一方でダイノジのナルシストを受け入れられる人じゃないと、この面白さは受信できないかもしれないなあ……とも思う(後に発売される『KING OF LIVE』では、そのナルシストが大衆向けになっているが)。しかし、ダイノジの芸風について、少しでも理解している人には、間違いなく満足できる出来である。もしもまだテレビで見るダイノジしか知らないのであれば、この『俺道』を観て、ずっと深いダイノジに触れていただきたい。後悔はしない、たぶん。
・収録内容 『オープニング[MY WAY]』『二人歩記』『光枝の日記』『インタビュアー』『新・声に出してみたい日本語2003?』『ハードボイルド』『バスジャック(不良と小西)』『通訳』『ブラックモグタン』『あやべと遊ぼう』『放課後』『新・声に出してみたい日本語2003?』『渡り鳥A』『前略、道の上から』『エンディング[だいすき]』『楽屋』『あいさつ』『ダイノジロック』 ・特典映像 『NO WAY』『ダイノジ漫才「頑固親父」』『ダイノジ漫才「光枝の日記」』『ダイノジ漫才「検問」』『大地洋介の真実』『ドッキリ?』『大谷ノブヒコ Video Clip』『大地洋介 Video Clip』『トーク』 ・収録時間:102分+特典43分 ・詳細:ヤクルトホールにて、2003年8月10日収録