まったり『イッセー尾形 一人芝居 草月ホール2005』
- 出版社/メーカー: イッセー尾形・ら株式会社
- 発売日: 2007/06/10
- メディア: DVD
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冒頭の芝居は『組合』。労働組合に属する中年男性が、同組合の若手に持ち上げられる話。舞台に上げられそうになるも断る姿は、妙にリアルで良い。若手に説教してくれと頼まれて始めた説教が、ハチマキの締め方や女性のファッションだったりするところなんか、いかにも中年男性的発想で良い。中年と若手のジェネレーションギャップを上手く描いた傑作だった。それ以降も、傑作が続く。なんとなく中国系っぽい、呑気な日本人ガイドのウキウキした様子が微笑ましい『ツアーガイド』。なんだか女々しい男が、酒を飲みながらバーテンにネチネチ話しかけていくうちに、意外な展開へと堕ちていく『ひとり酒』。手馴れた感じに人を捌いていく様子がリアルかつコミカルな『指導員』など、名作・名キャラクターのオンパレード。そして、それらは全て一つ一つ、非常に個性的な色を発しているのだけれども、ちゃんと一つの作品集としてまとまってい……ない。内容のバランスがてんでバラバラで、まるで纏まろうとしていない。実に、個性的だ。……つまり、このあまりに個性的な作品群をまとめきることが出来なかったので、これまではベストコレクションとしてDVDを発売していたという……ことなのかもしれない。ひょっとしたら、の話だけど。
まあ、纏まろうが纏まってなかろうが、非常に良い公演だったことは間違いない。この八月には、2005年から2006年の間にかけて披露された演目の蔵出し集『イッセー尾形 一人芝居 蔵出し 2005-2006』が発売されるらしい。この感じで、2004年に披露されたという先生シリーズもDVDにならないものか*1と、期待しているわけだけども……どうかなー。
・収録内容 『組合』『ひとみちゃん 家政婦編』『山菜採り』『ツアーガイド』『ひとり酒』『ピザ屋』『指導員』『友子お姉さん』 ・収録時間:約125分 ・詳細:2005年5月5日、東京・草月ホールにて収録