菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

傾向と対策『つかじの無我 〜12人の証言者〜2』

つかじの無我 ~12人の証言者~ 究極版 第2巻 [DVD]

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今、爆笑問題太田光と同じくらいに「お前は何になりたいの?」と世間から問われているような気がする芸人、塚地武雅。先日放送された特別ドラマ『裸の大将』では主役に抜擢されており、段々と俳優業が板についてきた模様。それで良いのか、塚地武雅。相方の鈴木を置いて、何処に行く(そのドラマには相方の鈴木も出てたらしいけど……バーターで)。最近はホームグラウンドともいえる『はねトび』でも、身体を張った笑いを見せることが多いようで、彼の真髄である「コント」を見る機会がまるで無くなってしまった。まあ、タレント化しているということなのだろうが……そんな塚地に、舞台に似たような雰囲気を味あわせるために、WOWOWで放送が開始されたのがつかじの無我である。たぶん。内容については、第一弾(或いははてなキーワード)を参考。
今回のゲストは石塚英彦余貴美子岡田義徳の三人。前回のゲスト*1に対し、芸人・女優・男優と全体的にまとまっている印象。また、それぞれの立場だけではなく、番組への対策も三者三様、まったく違ったものだったのが興味深かった。
一人目の石塚英彦は、とにかく小道具を準備することで、舞台を自分の世界に包もうと試みていた。小ネタ小ネタで塚地としては楽だったらしいが、きたろうは「不安だからネタ用意して……」と手厳しく評価していた。一方、ネタではなく衣装とキャラを仕込んできたのが余貴美子。少女趣味全開の衣装を身に纏い、きたろう演じる大家の元妻をハイテンションに演じていたのだが……何かのリミッターを解除しすぎてしまったのか、きたろうも慌てるほどの下ネタ全開のアドリブを展開させていた。「トイレでしか興奮しない」は問題が……。そして、今回最後のゲスト、岡田義徳。彼はとにかく、仕込みが凄かった。第二回放送時のゲスト、佐藤江梨子の恋人役として登場した岡田は、明らかにヤ○ザ風の口調で塚地を口撃し、徹底的に追い込みをかける。誰もが「これ、どうやって終わらせるつもりなんだ?」と思っていただろうタイミングで、岡田が唐突にあることをカミングアウトする。その瞬間、事態と立場は一変。そして、誰も予想し得なかっただろう、驚くべきエンディングへ……これまでの放送回の中で、最も“即興劇”という設定を生かした展開になっていた。それが如何なるモノだったのかは、直接見ていただきたい。とりあえず、その瞬間にきたろうが神になったということだけ、付け加えておく。今回も、結局良いトコ取り。

・出演
塚地武雅・きたろう・鈴木拓
・ゲスト出演
石塚英彦余貴美子岡田義徳
・特典映像
「つかじの無我 座談会」(塚地×きたろう×鈴木)
・収録時間:約132分