菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

『キャイ〜ンLIVE2004 〜キャイ〜ンがシークレットライブやりました〜』

キャイ〜ンが2004年に行ったシークレットライブを収録したDVDを見た。キャイ〜ンといえば、僕にとって『ウッチャンナンチャンウリナリ!』の出演者だった。……あれ? それ以外のイメージが……無いなあ。いやいや、他にも色々な番組に出ていることは知っているけれども……うーん。どうもポケビ&ブラビのイメージが強いからなのか、それ以外でキャイ〜ンに注目した記憶が無い。うーん、なんだかなあ。それでも、バラエティ番組で活躍する彼らの姿は、不思議と印象に残っている。つまり、“インパクトは無いけど、仕事は出来る”タイプの芸人なんだろう。そんなキャイ〜ンのライブは、バラエティと同様にソツの無い内容だった。うーん、フツーに面白い。フツーに面白いので、感想の書きようが無い。さて、どうしたものか。とりあえずライブについて書こう。
ライブで披露された演目は四作品。うち、一作品のみ漫才で、残りの三作品はコントだ。この漫才が、なかなか面白かった。狂牛病鳥インフルエンザを扱った知的なネタなのだが、その知的さをウド鈴木がどんどんブッ壊していく感じが、実に良かった。何が良いって、ウドが天野を困らせようとボケているんじゃなくて、ウドが天野の話題を盛り上げようとするけどボケになってしまう感じが良い。ウド鈴木が、いわゆる“ウド鈴木”というキャラクターを完成していることが、今更ながらよく分かった。いや、本当に天然なのかもしれないけど。
一方のコントは、オーソドックスな展開のオンパレード。これでもかというほどに、オーソドックスを詰め込んでいる。しかし、ただオーソドックスなだけでは面白くない……と、ここでまたウドのキャラクターが活きてくる。天然っぽいキャラクターのウドがボケることによって、ネタにハプニング性が増してくるのである。そんなウドのボケを、ウドのことを最も知っているだろう男、天野が上手く捌いている。まるで、猿回しの様に。
そんなわけで、かなり楽しめたほうだったと思う『キャイ〜ンLIVE2004 〜キャイ〜ンがシークレットライブやりました〜』(今更ながら長いタイトルだ)。ただ、何度も見たいと思うかというと、ちょっと難しい。ウドのボケは楽しいし、天野のツッコミも嫌いじゃないけど、どうも一発勝負なところがある。一発笑わせて、それで終わり、みたいな。……こういう書き方をすると、なんだかけなしているように思われるかもしれないけれど、そんなことはない。何度も見られるライブのほうが、作品としては良いかもしれない。ただ、ライブの真髄は一度きりであるところにある。そして、キャイ〜ンはその一度きりの舞台で、確実に客を笑わせる手腕を持っている。その時点で、芸人として勝ちなのだ。
よし、2005年のライブも借りてこよう!(レンタルかよ!)

・収録内容(約101分)
『漫才:肉』『コント:エースをねらえ!』『はじめてのショートコント』『コント:ものまね芸人4』
・特典映像
『シークレット オブ シークレット』『amano 60 seconds』『udo 60 seconds』