菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

あとぅく御礼。『さまぁ〜ずライブ6』

さまぁ~ずライブ6 [DVD]

さまぁ~ずライブ6 [DVD]

正直に言おう。僕は前作『さまぁ〜ずライブ5』の時点で、さまぁ〜ずのコントを見限っていた。理由は、単純につまらないと思ったからだ。どうしてつまらないと思ったのか……あまり覚えていない。その程度の認識なので、本当は面白かったのかもしれないなあ……と、今では思う。でも、一度ついたイメージは、どうにも離れない。バラエティでのさまぁ〜ずは面白いけれど、もはやコント師としてのさまぁ〜ずは退屈だ。そう、思っていた。それでも、今回のライブDVDにも手を出した。「もしかしたら……」「ひょっとしたら……」という感情が、僕の中で蠢いていたのかもしれない。単に、コレクター的な意味だったのかもしれない(後者の可能性大)。そして鑑賞した、二年ぶりのコント公演さまぁ〜ずライブ6』。これが、はっきり言って……良かった。
まず、妙に印象に残ったのが、オープニングコント『休憩』。工事現場の先輩と後輩が繰り広げるという設定のコントは、これまでのさまぁ〜ずにはあまりない設定に感じた。これまでにさまぁ〜ずが演じてきたコントの多くは、例えばサラリーマンだとか、レストランにやってきた客と店員だとか、どちらかというと日常の中を描いた類いのものだった。そんなさまぁ〜ずが、泥臭い工事現場コントをやるとは。この時点で、今回のライブはちょっと、これまでのものとは違う毛並みのライブなのかもしれないなあ……という感覚はあった。
その後のコントも、これまでのさまぁ〜ずとは一風違った印象を受けるコントばかりだった。『護身術』では、ハローケイスケの様な格好をした大竹がアクティブに動き回っていた。どちらかというと、言葉で自分の世界を作り出す大竹が、全身でボケを演じる様子は、ちょっと斬新に映った。『大人のUSP』では、大竹の世界観が全開のテーマパークを三村が楽しむという、これまでのさまぁ〜ずコントの中でもカオスな内容のもので、非常にこってりとした大竹ワールドを堪能できた。その中でも、特に印象に残ったコントが『寿司屋へ行こう』だ。
『寿司屋へ行こう』は、二人の男が寿司屋の前で、寿司屋でどういう対応をすれば良いのかどうかを考える……というコントである。いや、このネタをコントと呼ぶべきなのだろうか。このネタでさまぁ〜ずの二人は、殆ど明転時の場所から動かない。ひたすら、同じ場所で「寿司屋に入ったら、どうすれば良いのか?」という話だけを繰り広げている。そこに小道具は無いし、仕掛けもない。つまり、この『寿司屋に行こう』は、さまぁ〜ずの漫才ネタとも受け取れるのだ。事実、必死に寿司屋を恐れる大竹と、呑気に構える三村の会話は、ほぼ漫才のテンポになっている。かつて、改名後初の単独ライブで漫才に挑戦し、見事にドッチラケな感じになってしまったさまぁ〜ずは、この『寿司屋に行こう』で見事にリベンジを果たしたと言っても、過言ではないのかもしれない。
以前、『さまぁ〜ずライブ5』が自分の中でハマらず、危うく「コントのさまぁ〜ずは終わった!」と決め付けかけてしまった僕だったが、今回のライブで考えが変わった。そんな簡単に決め付けるべきではなかったのだ。まだまだ、コントのさまぁ〜ずは終わらない!(たぶんネ)

・本編(95分)
「OP.休憩」「OPENING VTR」「護身術」「V1 ごまかそう」「寿司屋へ行こう」「V2 キュウリの野望」「大人のUSP」「V3 バーチャル体験 シャイ号」「家族」「ENDING VTR」
・特典映像(4分)
「メイキング」

そういえば、これが出る前に過去のさまぁ〜ずライブの感想をまとめて提示するっつってたのに、完全に忘れてたなあ……まあ、良いか。来年に持ち越ししよう。だって、まだ感想を書かねばならぬDVDが……年末進行だ!(金は貰えんが)。