菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

『無修正』

ドランクドラゴン 無修正ドランクドラゴン 無修正
(2006/09/22)
ドランクドラゴン

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ドランクドラゴンは、コントの天才と言っても過言ではない塚地武雅と、やる気の無い素人がうっかり芸人になってしまっただけの様な鈴木拓によって結成されたコンビである。聞いた話によると、コンビの結成を持ちかけたのは塚地のほうだったらしい。なんという見る目の無さ。しかし、結成してしまったものは仕方ない。塚地は、鈴木という重りを引きずりながら、このお笑いブームの荒波を乗り切ることになったのである。……で、乗り切っちゃったわけだ。さすがである。

ただ、お笑いブームの波を乗り終わった後の塚地は、とてもつまらなかった。いや、それをつまらないというのは、あまり良くない表現か。しいて言うなら、ありきたりだった。起承転結のある話は出来るし、場をまとめる能力も持っていたが、如何せん瞬発力に欠けていた。アンタッチャブルの様な勢いや、おぎやはぎの様な世界観が出せずにいたのである。

そこで、鈴木が役に立った。コントをしているときも、フリートークをしているときも、基本的にやる気が無い鈴木は、その向上心の無さと空気の読めなさが相成って、バラエティ番組ではあまり見られない「トーシロ感」を匂わす珍奇な芸人となっていた。これを活かさない手は無い。そして、ドランクドラゴンの役割分担が出来上がったわけである。コントやドラマは塚地、トークは鈴木(ただし塚地を横に置いた状態で)という風に。

本作は、そんな鈴木の魅力を存分に引き出した映像作品になっている。様々な芸能事務所に電話をかけ、そこに所属している女性タレントにキスしてもらえるかどうかを交渉する鈴木。大量の酒を飲んだ上で、腕立て伏せをこなしたり、塚地のパンチを受けたりする鈴木。女王様をSからMにしようとする鈴木。とにかく、鈴木まみれな一枚だ。

全体的に、面白い作品になっていたとは思う。基本的にふわっふわしている鈴木に何かをやらせて、その反応を楽しむというのは、これまでにも様々なDVDで行われている(『ドランクドラゴン カンフー』ではラーメン屋レポート、『爆笑オンエアバトル』では横浜ツアーが行われていた)が、その中でも、特に“鈴木の味”を出すことの出来た一枚になっていただろう。

ただ、作品全体から物凄い「特典映像臭さ」を感じる。鈴木の言動は確かに面白いのだが、それは、あくまでも「余技」としての面白さで、これがライブDVDの幕間映像として収録されていたら、純粋に楽しめただろうなあ……という感想が残る。やや値段が高いのもネックだ。面白かったとは思うが、3,990円の内容ではないだろう(僕はレンタルしたけど)。それと、個人的な好みになるが、心霊ドキュメントネタで30分も使うのはどうなのか。全体の三分の一も費やすほど、この企画に面白さはなかったように思う。

……と、ここまで書いて、このDVDで挑戦してる企画の幾つかが、『NETA JIN』で陣内智則がやってたことと弱冠被っていることに気が付いた。そうか、だから特典映像臭かったのか……。


・本編(99分)

・特典映像(9分)

DVDの企画にもはまらなかった鈴木の本当の無修正

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