笑魂!『やまもとまさみのひとりコント』
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: DVD
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やまもとまさみのコントは、設定に捻りがあることが多い。例えば『江口店長』というコントでは、店員の山口くんに惚れている店長という設定で、そこそこ面白いコントに仕上げられそうな雰囲気がある。しかし、このコントのメインは「山口くんが店員募集の要項を間違え続ける」というギャグ要素であるため、その設定はそれほど生かされていない。また、『友情』というコントでは、やまもと演じる女生徒の友達が、好きな異性を待ち続けていたが故に起こってしまった悲劇についてやまもと目線で延々と語られている。この設定も、その構成によっては面白く化けそうな気がする。しかし、このコントもやはり、設定よりもギャグを生かしたものになっており、どうも上手く弾んでいない。
思うに、やまもとまさみのコントは、設定の良さとギャグの風味が互いを打ち消しあってしまうため、その面白みがイマイチ伝わってこないのではないだろうか。……そういう意味では、R-1ぐらんぷりの決勝戦でも披露していた『らくがき』は、彼にとって非常に特殊なコントだったと言えるのかもしれない。「修学旅行中の朝、先生が身体中に落書きをされていることを生徒に発表する」という設定はシンプルだし、らくがきされた身体は見た目にとても分かりやすいギャグになっていた。
今回のDVDは、そんなやまもとまさみの芸風に加えて、無観客状態でのライブだったことが、非常にマイナスに働いていた。やまもとがボケるたびに観客の声が上がらないため、まるでスベッているような印象を受けてしまうのである。前のザブングルの時にも書いたが、もう無観客である意味が分からない。やまもとのコントがストーリーメインのコントなら、まだ観ることは出来たと思う。でも、彼のコントはギャグメインのコントだ。そのギャグを生かす意味で、笑い声は必要不可欠だったと思うのだが……んー。少なくとも、客の笑い声があれば、もうちょっと良い印象が残ったと思うんだなあ。
・本編(32分) 「メロンちゃん〜OL編〜」「幻のルーブル美術館「1回だけ」」「江口店長」「幻のルーブル美術館「世紀の大脱出」」「友情」「幻のルーブル美術館「バレンタインデーに男に告白された男」」「チェック」「幻のルーブル美術館「休憩中の男」」「SM〜地図の巻〜」「幻のルーブル美術館「追いつめられた男」」「らくがき」 ・特典(11分) 「脇役の部屋」
ちなみに、この「笑魂シリーズ」は1月1日に五本同時発売されたものを、五本同時にネット販売で購入した。しかし、他の作品の人気が高かったからなのか、今作とエレファントジョン『立川より愛を込めて』が先に到着した。うーん……頑張れ!