はしゃぎまくりんぐ『ビバリーヒルズ晴天白書』
- 出版社/メーカー: よしもとアール・アンド・シー
- 発売日: 2008/01/23
- メディア: DVD
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しかし、その期待は再生とともに崩壊した。オープニングから、とかくアメリカンドラマっぽい雰囲気を出そうという意図が見えたのだけれども、このアメリカンドラマっぽさを出すための重大な要素が、このDVDでは弱いのだ。その重大な要素とは……即ち、海外ドラマの日本語訳っぽい声である。それ自体を芸の土台にしているなだぎ・友近以外のキャストの声が、とにかく酷かった。中でも小籔千豊の声は、特に酷かった。当人はアメリカンドラマっぽい声にしようとしているのだろうけど、実際のところ、その声は完全にいつもの座長なのだ。そのあまりの完成度の低さに、何度も苦笑してしまった。内容自体も、初めはちょっと不安定。特に第二話は、いわゆる芸人としてのスキルを使う場面が殆どなく、パロディドラマに徹底していたため、その土台の弱さがとかく露呈してしまい、見るに耐えない内容になってしまっていた(そもそも脚本自体がダメだったのかもしれない)。
ところが、ちょっとずつドラマが展開していくと、だんだんと芸人が自由にやり始め、そのスキルをテッテ的に活用。きっかけは、川島邦裕(野性爆弾)の登場だったと思う。思わず芸人同士も笑いをこらえられないくらい、酷いギャグをかましていた。彼の登場以降、各自がやりたいようにやり始めたような、そういう印象がある(実際のところ、どういう順番に撮影していったのかしら)。近々、野性爆弾の単独DVDも出るから、皆で買おう!(宣伝)
その中でも活躍していたのが、これまた小籔氏。アメリカの高校生、しかも不良生徒という役のガイルの持ち味を十二分に発揮。なおかつ小ネタを挟みまくるという、座長としての威厳を感じさせられる活躍ぶりだった。「上方芸能イエス!」。あと、バッファロー吾郎も良い活躍をしていた。ブルジョア役のナッシュを演じる竹若氏・マヌケ役のピーターを演じる木村氏の演技は特筆するほどではないけれども、安定してコミカルだった。
勿論、ディランとキャサリンのコンビも大活躍。ナッシュの日本土産を解説するディランは、いつものコントでのディランの良さを発揮していたし、様々なイジられかたをするキャサリンも安定していた。とにかく、いつもと同じテンションかつポテンシャルで、良い仕事をしていたと思う。
そんなわけで、当初の不安は最後には吹き飛び、「なかなか面白かった」という感想で鑑賞を終えることが出来た今作。ただ一つ、ちょっとだけ不満だったシーンがあった。それは何かというと、ディランとキャサリンのホームステイ先で起きている問題(息子役の中川家剛が引きこもり気味だったり、母親役のハリセンボン近藤がホスト浸りだったり)が、今ひとつ解決されなかったことだ。てっきり、吉本新喜劇みたいな終わりかたをすると思っていたのだけれども……んー。別に残念ではなかったけれど、勿体無いなあ……と思った。あそこがキレイに消化されていれば、かなり優秀なコントドラマとして完成されていたと思うんだけどなあ……。
・キャスト なだぎ武(ザ・プラン9)、友近、浅越ゴエ(ザ・プラン9)、木村明浩(バッファロー吾郎)、竹若元博(バッファロー吾郎)、馬場園梓(アジアン)、小籔千豊、隅田美保(アジアン)、川島邦裕(野性爆弾)、礼二(中川家)、近藤春菜(ハリセンボン)、剛(中川家)、箕輪はるか(ハリセンボン)、池乃めだか ・特典映像 「ピーターの『ピンチをチャンスに変える一言集』」「ガイルの『コブシにも優る破壊力抜群の一言集』」「ナッシュの『気持ちが楽になる軽口集』」「ケビンの『心に響く尊い一言集』」「アンジェリーナ先生の『男を惑わす仕草〜アダルト編〜』」「キャミィの『男を惑わす仕草〜ティーン編〜』」 ・収録時間:108分+特典映像10分
特典映像には、今回のDVDのメインキャスト陣の一言集を収録。ウケ狙いの言葉を、笑い声ほぼ皆無の空間で発することの恐ろしさが、よく分かる。ただ、アジアンの二人は健闘していた。いや、単にエロネタを言ってただけだけど(笑)