菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

『スピードワゴントークライブ「こんな事言うと、野暮かもしれませんが…売れるために2人の弱点克服します!」』

ライブミランカシリーズ第六弾。今回取り上げられた芸人は、スピードワゴンである。うーん……正直、どうなんだろう。いや、スピードワゴンは好きなコンビだよ? それでも、どうもこれまでのメンバーに比べて弱く感じてしまう。大竹のマイウェイなボケと三村の激しいツッコミが魅力のさまぁ〜ず。漫才同様、スピーディーなテンポとアドリブがパワフルだったアンタッチャブル。まったりもったりとしていながら、ところどころに鋭い視点を見せるおぎやはぎ。中二のテンションをそのまま維持した、イノセンスなトークを繰り広げるよゐこそういった面々を比べると、どうもスピードワゴンは……弱いんだよなあ。彼らのネタの特徴といえば、青臭いロックの様な漫才である。……僕の中での彼らのイメージは、そこで止まってしまっているのだ。彼らのネタは確かに面白いし、笑いの公式も綺麗に出来上がっているんだけど、どうも笑いの起爆性に欠ける。そういう点が今回のトークライブでも出るのではないかと危惧していたのだけれど……うん、予感は的中していた。
今回のトークライブのテーマは、サブタイトルにもあるように「2人の弱点を克服する」というもので、舞台のバックモニターに映し出される弱点を2人が克服していく演出になっている。以下、トークテーマ。

1.一般常識を身につけなさい!
2.結婚相手を見つけた方がいい
3.人の名前を覚えてください
4.業界の事をもっと知った方がいい!!
5.汗をかきすぎだよ!!
6.何か店を出せばいいじゃないか!!
7.演技力がちょっと…
8.積極的に仕事をした方がいい!!
9.おもしろおかしくまとめて下さい。

2人は割とコミカルなトークで、互いの弱点を克服しようとするのだけれど……どうも想定範囲外の笑いが飛び出してこない。地味に長い芸歴がそうさせているのか、安定して笑えるのだけれども、その場の空気をブッ壊すような笑いが起きない。なんというか、テレビバラエティ的トークなのだ。このトークライブが行われた2007年、彼らはM-1グランプリに久しぶりに出場し、準決勝で敗退した。ひょっとしたら、スピードワゴンの芸人としての現行スタイルに限界が来ているのではないだろうか。2008年の今年、彼らは結成10周年を迎える。今年でM-1もラストチャンスとなる。今こそ、スピードワゴンというコンビは変わらなくてはならない。今作を観て、そういうことを思ったりした。うーん……面白いんだけどなあ。

・収録時間:119分+特典20分
・特典映像
本番前の楽屋の様子からライブ終了後の打ち上げまで、スピードワゴンの貴重なオフショットが満載!