菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

買ってみた。『ペナルティ単独ライブ2007』

 2月にレンタルした『ペナルティ単独ライブ2006』が、なかなかの良作だったので、思い切って本作はレンタルせずに購入してみた。とりあえずの感想としては、うーん……微妙だった。なんというか、物足りなかった。別に、彼らの芸に粗があったわけではなかったけれど……なんだろうなあ。ちょっとハマらなかった。何故か。……まあ、単純にワッキーのキャラクターがもうちょっとグッとこなかった」からなのだけれど。
 ワッキーの演じるキャラクターは、気持ち悪ければ気持ち悪いほどに活きる。これは、演芸番組で彼らが演じてきたコント及び、過去の単独ライブで披露されてきたコントを観れば分かる事実だけれど、今回のライブでは、ちょっとキャラクターが弱かったように思う。オープニングコント『15歳の夏』でのカマキリだとか、ラストコント『海賊』での某映画のキャラみたいなホームレスとかは、そこそこ良かったのだけれど。今回のライブの真ん中に位置するだろうネタ『江角涼子』が、どうも良くなかった。
『江角涼子』は、ニューヨーク帰りのキャリアウーマン“江角涼子”が会社を改革しようと息巻く姿のみを描いたコントだ(実際に改革はしない)。この江角涼子というキャラクターが、どうも弱かった。やたらとシャクレる、やたらと屁を出す、カッコつけようとして失敗する……というベタなギャグばかりで押し切ろうとしている感があり、普段のペナルティのコントの様な、ベタさとナンセンスさが混在している世界がイマイチ見られなかった。んー……真ん中に持ってきていたから、期待をしすぎていただけなのかもしれないけど。
 ただ、今回は……というか今回も、ヒデがやってくれた。前回、自身の趣味であるバーべキュー(通称BBQ)をテーマにしたコント『BBQキャプテン』を披露していたヒデだが、今回は、なんとヒデの住む町“五反田”をテーマにしたコント『山手戦隊ゴタンダー』を本作で披露している。ここのところ、バラエティにおいてペナルティはワッキーよりもヒデが目立ちつつあるが、その辺の力関係がコントの方にも出てきているのかもしれない。2008年のライブでは、ワッキーよりもヒデメインのコントが増えるかも……いや、無いか。

・本編(127分)
『15歳の夏』『ダイエット』『江角涼子』『地獄』『山手戦隊ゴタンダー』『海賊』
・特典(24分)
『エレベーターリアクション前編』『エレベーターリアクション後編』『山手戦隊ゴタンダーOP』『山手戦隊ゴタンダーEND』『2007.8.12』