『ローワン・アトキンソン・ライヴ!』
ミスター・ビーンも登場 ローワン・アトキンソン・ライヴ! [VHS]
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1998/05/02
- メディア: VHS
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その当時、アトキンソンが主演を務めている警察官コメディ「シン・ブルー・ライン」、アトキンソン演じるブラックアダーの一族が活躍する英国史パロディドラマ「ブラックアダー」などの“Mr.ビーン”ブームに乗っかったビデオ作品が多く発売された。本作『ローワン・アトキンソン・ライヴ!』も、その流れの中で発表された一本だ。1991年にボストンで行われたローワン・アトキンソンによるライブの様子を収録している。
イギリスのコメディは毒っぽいことで知られているが、イギリス人であるローワン・アトキンソンの芸もまた同様だ。“Mr.ビーン”のキャラクターで知られているため、一般的にはチャールズ・チャップリン的なパントマイム芸が氏の本質だと思われがちだが、本作に収録されている演目を見る限り、アトキンソンの芸もかなり毒っぽい。
例えば、二本目に収録されている『体罰死』というコント。生徒のことで呼ばれた父親が、アトキンソン演じる教師にさらっと実子が死んだことを知らされる……という、かなりブラックなコントだ。この他にも、キリストの奇跡を茶化した『ナザレの奇跡』、悪魔が犯罪者たちを地獄へ送り込む『歓迎の言葉』、結婚式場を一気に冷ませた三人の男たちの言動を描いた『こんな友達と一緒だと…』(下ネタ度高め!)などが、かなりブラックな内容だった。こういう笑いは日本人には難しいだろうなあ。
一方、“Mr.ビーン”で見せているような「動きの笑い」も多かった。透明人間に手足をイタズラされる男を白熱して演じている『透明人間』、デートについて講義する男の横で講義内容に合わせたマイムを巧みに演じる『デートの基本』、“Mr.ビーン”のエピソードにもあった『それはクシャミで始まった』などの作品は、日本人にもバカウケ間違いなしのコミカルな内容だった。
その中でも、個人的にツボだった作品が『王様になる方法』というコント。このコントは、シェイクスピア劇についての講義に合わせ、アトキンソンが動きを見せるというものだ。……と書くと、「それじゃ『デートの基本』と同じじゃないか?」という話になる。ただ、『デートの基本』におけるアトキンソンは講義内容に完全に合わせた演技をしているが、『王様になる方法』でのアトキンソンは弱冠の恥じらいを持っており、演技からちょくちょく素に戻る場面がある。そこが物凄いおかしさを生んでいた。中でも、誰かに殺されてヒザから落ちる演技をするたびに床でヒザを打って痛がるギャグなんか、サイコーだったなあ。
ところで、僕はこの作品を中古屋でVHS版を手に入れた(980円也)ので確認していないのだけれど、このamazonの商品には字幕がちゃんと入っているのだろうか。amazonの方は海外からの輸入版みたいだから、ひょっとしたら入っていないかもしれない。……バイリンガルの方のみ、お買い求めいただきたい(おい)
・本編(60分) 「歓迎の言葉」「体罰死」「ナザレの奇跡」「透明人間」「負けるが勝ち」「デートの基本」「試合後の男たち」「それはクシャミで始まった」「こんな友達と一緒だと…」「王様になる方法」「ドラムは最高」