『江頭2:50のピーピーピーするぞ！3 引くに引けない逆修正バージョン』

江頭2:50のピーピーピーするぞ!3 引くに引けない逆修正バージョン [DVD] (2009/04/24) 江頭2:50 商品詳細を見る

江頭2:50の初冠番組である『江頭2:50のピーピーピーするぞ！』の公式DVDも、今回で三作品目となる。思えば、第一作がリリースされてから、まだ一年も経過していない。かなりのハイペースでリリースされていると言えるだろう。それは何も、生き急いでいるとかそういうことではなく、ただ単にリリースすれば売れるという現状を意識してのことなのだろう。そう。『江頭2:50のピーピーピーするぞ！』公式DVDは売れている。それも、ただ売れているわけではない。長く売れているのである。

思えば、つい数年前までは単なる「カルト芸人」でしかなかった筈の江頭2:50。その人気も決して一般的なものではなく、どちらかというとお笑いマニアと呼ばれる人たちから高い人気を集めていたイメージがあった。それが今や、映画評論を綴った本をベストセラーにしたり、冠番組の公式DVDを大ヒットさせたりしている。それどころか、ネット上では江頭を称える“ドーン教”なる宗教団体が誕生するほどだ。どうして、これほどまでに、江頭2:50という存在は膨張してしまったのか。

その原因は恐らく、21世紀初頭から続いているお笑い芸人ネタブームにある。テレビで容易に若手芸人のネタが見られるようになった昨今だが、その結果、テレビ仕様の分かりやすくて攻撃性の薄いスタイルの芸人たちが蔓延するようになったために、その反動によって、濃厚で破天荒な江頭2:50の様な芸人が評価される流れになったのではないだろうか。高田純次の様に自由でイーカゲンなスタイルの芸人が評価されるようになったのも、その流れがあったからではないだろうかと思うのだが……まあ、単なる推測である。

今作でも、江頭2:50はチ○コを剥き出しにしたり、素人女性の前で○ンコを剥き出しにしたり、机の上に立ち上がってチン○を剥き出しにしたり、非常にムチャクチャな行動（単なるセクハラ？）を取り続けており、その度にアシスタントの早川が悲鳴を上げたり笛を吹いたりしている。そのムチャクチャさは相変わらずなのだが、もう何度も同様のやりとりが繰り返されてきたためなのか、それがまるで定番のお家芸の様になっていたのが、なにやら興味深かった。下ネタを言うタイミングと、引き下がるタイミングが決まってきたとでも言うのだろうか。その間の取り方は、なんとなく桑田佳祐のそれに似ているように感じた。下ネタには、ウケる黄金のタイミングというのが存在するのかもしれない。

一方で、これまでに様々なアウトロートークを展開させてきた江頭2:50は、今回でも「北朝鮮でテツandトモのパクリ芸に挑戦しようとした」「遠藤賢司のライブでギターとカメラをブッ壊した」「やしきたかじんに襲いかかろうとして失敗した」など、非常に危なっかしいトークを連発させていた（中でも遠藤賢司のエピソードは必見）。このアウトロートークに関しては、まだまだ定番の笑いにはならない。ただ、以前よりも、トーク能力が上がっているようには感じた。『エィガ一刀両断』でのストーリー説明が、その能力をじっくりと引き上げているのかもしれない。大川興業に入って21年。まさかの急成長である。

初期の粗雑で危なっかしい雰囲気が失われ、バラエティ番組としての体裁が保たれるようになってきた『江頭2:50のピーピーピーするぞ！』。それでもちゃんと楽しめる内容として安定しているのは、江頭2:50が単なるカルト芸人ではなく、状況判断や流れを瞬時に悟ることの出来る技術を持ち合わせているからこそのことだろう。とはいえ、この調子が続くと、マンネリしていくのではないかと危惧するところもある。恐らく、近日中にリリース情報が発表されるだろう四作品目も楽しみだ。

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・本編（103分）

「この美女は誰？」「エガちゃんVS名物男」「命がけの挑戦!!」「心男女「彼女の甘党をやめさせたい」」「一回の伝説より一年の伝説」「エガちゃんを有名にしたお宝写真」「心男女「生徒に言うことを聞かせる方法」」「北朝鮮でライブ？ ～北朝鮮珍道中Part2～」「エガちゃんのオススメDVDとは？」「超過激なファンサービス」「心男女「セクハラだと誤解されたら？」」「カリスマ純音楽家ライブに乱入!!」「名物男のリベンジ!?」「心男女「女生徒に好かれる方法」」「関西のご意見番に大暴挙!!」「俺のB'zを見ろ！」

・エィガ一刀両断

『ダイハード4.0』（8分）

『善き人のためのソナタ』（7分）

・特典映像（5分）

エガちゃんが出演する「車のことならAladdin」CM集