『マシンガンズ in エンタの味方! 爆笑ネタ10連発 ファイナル』

マシンガンズ in エンタの味方! 爆笑ネタ10連発 ファイナル [DVD] (2009/06/03) マシンガンズ 商品詳細を見る

マシンガンズの漫才を観ていると、妙に心が安らいでいる自分に気付く。よほど、世の中に対して鬱憤が溜まっているのだろうか。そういえば、東京03のコントを観ているときも、似たような気持ちになっていることがある。言いたいことも言えない世の中で、自分の意見を「バカヤロー！」と訴える二組は、間違いなく現代という時代を代表している芸人だと言えるだろう。

マシンガンズの漫才と言えば、とにもかくにもダブルボヤキ漫才。ガヤ声のお手本みたいな声をした滝沢と、元極楽とんぼの加藤の隠れ弟みたいな西堀（そういえば二人とも北海道出身だ）が織り成す、愚痴と文句と開き直りで構成されたボヤキオンリーの漫才は、とてつもなく攻撃的だ。その芸風ゆえにアンチも多いが、そのアンチすらネタにしてしまうしたたかさもある。流石は十年選手、転んでもタダでは起きない。

そんな彼らも、最近はちょっとずつ売れてきているらしい。事務所で雑誌の取材を受けたり、ファンレターを貰ったり、長らく連絡を取っていなかった友人から電話がかかったりしているそうだ。……ということも、彼らはネタにする。雑誌の取材はインタビュアーの態度の悪さを、ファンレターはその内容の理不尽さを、友人からの電話は背景のドロドロとした心情を、徹底的にボヤキまくる。ポジティブな状況も、ネガティブな状況も、彼らは徹底的にボヤキのネタにしてしまうのである。

それでも彼らのネタが往々にして笑えるのは、そのネタの対象に自らも含まれているからなのだろう。女の子とヤリたいがあまりに無茶苦茶な行動を取ってしまう自分、ネタを集めるためにバチ当たりな行動を取っている自分、バラエティ番組でもそこそこ活躍できることをアピールしている自分を、彼らは照れ笑いを浮かべながらネタにする。こういう地味にストイックなところが、地味に人気を集める秘密かもしれない。あと、ボヤキネタをするとき、何気に物凄くターゲットを限定していたり。余計なところに火は点けない、こだわりがあるのだ。

コンビの結成から十年が過ぎ、ボヤキ漫才師として急速に進化しつつあるマシンガンズ。『エンタの味方！』というレギュラー番組が終了することで、露出が極端に減ってしまうだろうけど、それでもどうにか生き残り、そのスタイルを残してもらいたいものである。……って、こんな偉そうなことを書くと、何処からともなく彼らの怒声が……「「お前、誰だーっ！」」

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・本編（48分）

「収穫」「祭」「クリスマス」「新年」「M-1（未放送）」「バレンタイン」「挫折」「卒業」「夢（未放送）」「味方（未放送）」

・特典映像（27分）

「マシンガンズ キング・オブ・コントへの道」「第二期生卒業式」