菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

『超新塾怪体新書 ~オモシロイの向こう側~』

超新塾怪体新書 ~オモシロイの向こう側~ [DVD]超新塾怪体新書 ~オモシロイの向こう側~ [DVD]
(2009/10/23)
超新塾

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バーババーバッバッバババババン! 何処からともなく聞こえてくる、「Born to be wild」のメロディ! このメロディが聞こえてきたということは、ヤツらがやって来たということさ! え? ヤツらって誰のことだって? オイオイオイ! お前ら、あんなにもロックでクールな奴らのことを、知らないって言うつもりじゃないだろうな? オイオイオイ、参ったな! じゃあ、俺が教えてやろう! この国で最もロックで、最もクールで、最もハイなステージを見せてくれる五人組のことを! そう! そいつらの名前は、ロックンロールコント集団、超新塾さ!

超新塾? そんな奴らのことは知らない、だって? ハッハッハッ、随分と粋がってやがるな! だが、それなら、お前らはこれまで退屈な人生を送ってきたってことになるぜ? まったく、可哀想なヤツらだぜ……。だが、これからは違う! お前らは超新塾を知った! 今知った! だから、これからのお前らの人生は、これまでとは打って変わって、ヤバいくらいにロックでクールなモンになっちまうんだぜ! どーだい、たまんねえなあ!

え? 超新塾のことを知るためには、どうすれば良いかって? そんなことは簡単さ! ヤツらが俺たちのために用意してくれた、ロックでクールなステージを観るだけさ! ……え? でも、ヤツらのステージを観ている時間がない? オーケイオーケイ、我儘な奴らだな! そんなお前らのために、ヤツらはちゃんとステージを映像にして残してくれているのさ! ヤツらはこれまで、『ロックンロールコント集団 超新塾』『超新塾 ロックンロール劇場』の二作品をドロップしているが、やっぱり今の時代を生きるお前たちには、奴らの最新のステージが見てみたいよな! オーケイオーケイ、分かってるぜ! 今まさに、ヤツらのホットな新作が、ここに届いたところさ! さあ、『超新塾怪体新書 ~オモシロイの向こう側~』を、皆で見ようぜ!

……と、たまにはこんな悪フザケなノリで文章を書き出してみたんだけれど、どうだろうか。当初は、このノリのまま、最後まで書き切ってしまおうと考えていたのだが、途中で飽きてしまったので、ここからは本来の書き方で感想文を書いていこうと思う。……こういうノリの方が良い、とか言われたらどうしたものだろう。まあ、そんな要求をされたところで、何の対応も出来ないんだけども。ええ。

そういうわけで、『超新塾怪体新書 ~オモシロイの向こう側~』である。この作品は、「爆笑オンエアバトル」や「爆笑レッドカーペット」といった番組で活躍している五人組のコント集団、超新塾にとって三枚目の単独作品に当たる。が、過去に彼らがリリースしてきた二枚の作品は、どちらも短めの自己紹介的な作品だったのに対し、この作品は収録時間ガッツリ二時間というハイボリュームな内容になっている。ファン大喜び。

そんな今作は、四つのブロックに分かれている。ブロックそれぞれにチャプターが独立しているので、いわゆる“全編再生”が出来ない作りになっているわけだ。ブロックはそれぞれ「超新塾のコント」「単独ライブ『四人のおばかと一人のどあほお』」「超新塾の歴史」「禅『妄想ショートコント』」というタイトルがついている。また、聞いた話によると、隠し映像も収録されているとのこと。お楽しみ盛り沢山だ。

以下、それぞれのブロックについて。

 

超新塾のコント」

超新塾が舞台で披露してきたコントを映像化した、ロケーションコント集。基本的に、僕はロケーションコントがそれほど好きではないので、観る前からあまり期待していなかったのだが、実際に観てみると、これがなかなか面白かった。五人のメンバーが画面の中でゴチャゴチャしている姿は、観客の笑い声がなくても笑えるほどの説得力があったから……なんだろうか。「爆笑レッドカーペット」で披露していた『手術室』のロングバージョンが、個人的にお気に入り。タイガーはやっぱり上手い。

「単独ライブ『四人のおばかと一人のどあほお』」

2009年5月に行われた単独ライブの様子を収録。DVD機器で収録時間を確認してみると、およそ40分ほど。恐らく、当初はこの単独ライブの様子のみを収録してしまおうと思っていたのだが、色々な理由で収録できるネタが限られてしまい、仕方なしにこういう構成になってしまったのではないかと。分からないけどね。収録されているコントは六本だけど、超新塾が出そろうコントはそのうちの半分。五人でどたばたしているコントが楽しみだっただけに、ちょっと残念。でも、その内容は面白くて下らないコントが多かったので、割と満足。特に『葬式』のコント(『ロックンロール葬儀』ではない)は良かった。ちなみに、ここに収録されているコントは、いずれも彼らが普段披露しているロックンロールコント以外のネタだった。こういうこともやっているんだなあ、という感覚で楽しめるのでは。

超新塾の歴史」

超新塾が、これまでの超新塾の歴史を振り返るスタジオ映像。超新塾はそもそもトリオだったという話や、ドラゴンがかなりあっさりとメンバー入りした話など、思い出話があれこれと。懐かしい映像なども飛び出して、昔ながらの超新塾ファンには懐かしい内容になっているのでは。収録後半は、何故か超新塾が富士山の登山に挑戦。過去のDVDでも、安定して面白い屋外ロケを展開していた超新塾。この富士山ロケも、しっかりと面白かった。

「禅『空想ショートコント』」

これまで、超新塾の魅力をたっぷりと伝えてきた今作のドンジリに控えているのは、イーグルとタイガーによるユニット“禅”の『空想ショートコント』である。……たぶん、収録時間を割り増しするために、こうして収録したのではないかと思うのだが、なんだか見覚えのあるコントばかりが披露されていた気がする。まあ、これも含めての、「超新塾の全て」ということなのかもしれないけれど……ねえ? ちなみに、収録されているネタは、全て豪華な感じの仏壇の前で披露されている。何処だ。

超新塾がこれまでに披露してきたロックンロールコントの映像に加え、彼らがあまりテレビでは披露したことのない通常の舞台コント、彼らの歴史を辿ったVTR、イーグルとタイガーによる人気ユニット“禅”のショートコントまで収録した今作は、まさに超新塾の「解体新書」的な内容。収録時間は二時間とハイボリュームだし、彼らの持ち味も遺憾なく発揮されていたと思うのだが……なんだか無性に物足りなさを感じさせられるのは、僕だけなのだろうか。いや、今作がミュージシャンで言うところのベスト盤みたいな内容になっていることを思うと、そうなって然るべきなのだろうか……。デモしかし、秀作であることには違いない。うん。


・本編(125分)

■「超新塾のコント」

『点呼』『ラーメン屋』『顔面漢字口座』『お会計における芸人の上下関係』『手術室』

■「単独ライブ『四人のおばかと一人のどあほお』」

『団地』『葬式』『密室殺人事件』『ボイスレッスン』『ソムリエ』『巨人の☆』

■「超新塾の歴史」

■「禅」

『ピストルの弾をより速くする職人』『ポッキーのチョコを舐めとるだけの祭り』『エロ本見て全身が勃つ』『ヘリウム工場で消化運動する消防士』『名刺を出すリズム感がよい』『二十四時間営業ではなく、二.四秒間営業のコンビニ』『差し歯刑事』『師匠と弟子』