菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

笑魂『ゆりありく 私につっこんでくだサル?』

ゆりありく 「私につっこんでくだサル?」 [DVD]ゆりありく 「私につっこんでくだサル?」 [DVD]
(2009/11/26)
ゆりありく

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猿と女の漫才コンビ、ゆりありく。猿まわしのコンビじゃなくて、猿と女の漫才コンビ。なかなか斬新なコンセプトだと思う。いわゆる猿回しというのは、主人としての人間と従者としての猿という関係性が、絶対的に成立していた。その関係を崩して、猿と人間の関係を平等にして、更に猿にどつきツッコミをやらせるっていうのは、おそらく過去に存在しない芸なのではないだろうか。知らんけど。

猿まわしといえば、昔ビートたけしがパーソナリティみたいなことをやってた「ここがヘンだよ日本人」っていう番組で、「日本のコメディは海外に通じるか?」みたいな特集があって、そこに猿まわしで有名な村崎太郎次郎が出ていたことを思い出した。確か、動物虐待だとかなんだとか言われて、ブーイングを浴びせられていた覚えがある。ろくなもんじゃないが、そういう一面があるのも否めない。そのことを考えると、ゆりありくの猿によるどつき漫才って、本当に世界で通用する芸と言えるのかもしれない。

そんなゆりありくの初単独作品、タイトルは『私につっこんでくだサル?』。捉え方によっては、非常にアブないタイトルの様に感じられるが、もちろん普通のネタDVDである。……一応書いておくけれど、心が歪んでいる自覚はあるからね。大丈夫だからね。お馴染みのどつき漫才に加えて、彼らにしか出来ないコントや、普段はテレビで見せることのないパフォーマンスという名の猿まわし芸などを披露している。

いとうあさこの『南ちゃん』ネタだけを収録したDVDを観た後だったこともあってか、そのバリエーションの豊かさには些か驚かされた。昔「反省だけなら猿でもできる」なんてコピーがあったけど、今なら「漫才だけなら猿でもできる」「コントだけなら猿でもできる」という言葉も通用するかもしれない。そのうち、落語が出来る猿も出てきたりするのだろうか。……喋れないから無理か……。


・本編(30分)

「まんざい「私ゆりあ16才」」「ダイナミックパフォーマンスパート1「高とび」」「まんざい「婚活」」「ダイナミックパフォーマンスパート2「竹馬」」「まんざい「ゴルフ」」「コント「リポーター」」「ダイナミックパフォーマンスパート3「八そう跳び」」「漫才「熱血教師」」

・特典映像(2分)

「世界初!?お猿のタップダンス」「ゆりありく街角ファッションショー」