『2010年度版 漫才 爆笑問題のツーショット ~2009年総決算~』
2010年度版 漫才 爆笑問題のツーショット ~2009年総決算~ [DVD] (2010/01/29) 爆笑問題 商品詳細を見る |
爆笑問題による一年の総決算漫才作品「爆笑問題のツーショット」が、今年も無事にリリースされました。太田さんの無茶苦茶なボケが無尽蔵に飛び交っているこのシリーズ、そろそろリリースが危ぶまれるレベルに達してきたのではないかと思われましたが、まだまだ大丈夫な模様です。太田光の未来は明るいですね。
今回の「爆笑問題のツーショット」は、2009年の総決算。政治・経済・社会・芸能などのニュースを、爆笑問題の二人がコミカルに調理していきます。なお、今回も前回と同様に、客入れしたスタジオの中で二人の漫才を収録。客がいるスタジオと、客がいないスタジオとでは、明らかに空気が違ってくるので、この措置は非常に有難いですね。勿論、今回もノーカット収録となっております。
爆笑問題の漫才といえば、やはり「時事ネタ」のイメージが強いです。が、実のところ、彼らの笑いの根底に流れているのは、「時事ネタ」というよりも「ナンセンスネタ」。爆笑問題という漫才師は、現実に起こってしまった数々の「事件というネタ」に対して、真っ向から「ナンセンスネタ」で勝負を挑んでいるわけです。
例えば、ブラック企業の話に絡めて、テレビ局のADに対する扱いが酷いという話。「マックを買ってこい」と言われたADが、ついうっかり買ってきたのは「マッキントッシュ」。ブランド米の話から派生して、芸能人のブランド米を作ってみてはどうかという話に。かのうし米というのはどうだろう。「妹の美香さんが一人で作ってんの」「恭子も手伝え!」。手相ブームの話になれば、頭脳明晰と言われた男が「やったー! 俺って頭脳……なんだっけ?」。
冷静に考えると、あまりにも下らないボケばかりです。でも、その下らなさは、逆に現実の胡散臭さを浮き彫りにしているようにも思えます。そういう意味では、爆笑問題の漫才は「さりげなく受け入れられている間違いへの違和感」を表現しているといえるのかもしれません。諷刺絵みたい。
ちなみに、僕が一番好きだったのは、このくだりでした。酒井法子が裁判の後、大学で介護について勉強しているらしいという話を受けて。
テレビでは絶対に出来ません(笑)太田「まあノリピーには向いてるかもしれませんね、優しそうだしね」
田中「まあ、まあまあね」
太田「お年寄りのウケも良さそうだし」
田中「まあ、そうかもね」
太田「「あの子がくれるお薬貰ったら元気になっちゃった!」」
田中「うるせーよ! 何飲ましたんだよ! 何やっちゃった、それ!」
太田「「あの子が来てから世界が明るくなったの!」」
田中「うるせー!」
……と思っていたのに、どうやらテレビで披露したネタらしいです(コメ欄情報)。テレビで本気出し過ぎですよ!
・本編(60分)
・特典映像(7分)
山中秀樹アナによる2009年ニュース解説