菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

『潜在異色 ~人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物~』前文

潜在異色 vol.1 全3巻収納BOX&オリジナルTシャツ付 【Amazon.co.jp限定】 [DVD]潜在異色 vol.1 全3巻収納BOX&オリジナルTシャツ付 【Amazon.co.jp限定】 [DVD]
(2010/05/28)
山里亮太(南海キャンディーズ)田中卓志(アンガールズ)

商品詳細を見る

学生にとって、学校に入学するということが到達点ではないように、芸人にとって、売れるということは到達点ではない。大半の昔話が絶頂の場面で「めでたし、めでたし」という都合のいい言葉とともに幕を閉じてしまうものだが、現実はそうはいかない。学校に入学した学生は学校での生活を始めなくてはならないし、売れた芸人はテレビや雑誌での活動を始めなくてはならない。入学したからといって、売れてしまったからといって、それで「めでたし、めでたし」というわけにはいかないのだ。彼らには、「めでたし、めでたし」から後の生き方を決める必要性がある。

南海キャンディーズ、オードリー、アンガールズドランクドラゴン、ロバート……彼らは既に「めでたし、めでたし」の次の段階を迎えている芸人たちだ。テレビバラエティにおける立ち位置もそれなりに決まっていて、求められている役割を素直にこなしていけば、特に問題無く、その後も芸能生活を続けていくことも出来るだろうポジションにあると言っても過言ではない。しかし、彼らにも悩みはあった。テレビで求められているポジションと、自らが表現したいと思っていることが、少なからず乖離してしまったのである。やがて溜まっていくのは、表現したいという気持ちのフラストレーション。自らの鬱憤を処理しきれずにキレる思春期の学生の様なことは起こさないにしても、それは彼らにとってとても不健康な日々だったのだろう。

しかし、2008年4月に行われたあるライブによって、状況は少なからず変化する。そのライブのタイトルは『LIVE! 潜在異色』。南海キャンディーズ山里亮太アンガールズ田中卓志、そして二人をバラエティ番組『落下女』で起用したことがある安島隆(日テレバラエティー局)によって立ち上げられた『LIVE! 潜在異色』は、少しずつ注目を集めていく。その結果、立ち上げ当初は下北オフオフシアター(キャパ80人程度)で行われていたこのライブも、2010年にはJCBホール(キャパ2000人)を満員にするほどの超人気ライブへと成長したのである。凄いねっ。

今作は、『LIVE! 潜在異色』の人気ぶりを受けて、地上波で放送されたテレビ版『潜在異色 ~人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物~』をソフト化したものだ。テレビ版といえども、内容はライブ版と大きく変わらない。芸人がネタを見せるためのステージと、そのネタを観る観客たちの席があるだけだ。出演は、ライブの立ち上げ人である山里亮太田中卓志の両名に加えて、第一回ライブに出演したドランクドラゴン鈴木拓ロンドンブーツ1号2号田村亮。更に、ロバートの山本博、インパルスの板倉俊之、オードリー、サンドウィッチマン鳥居みゆきよゐこ有野晋哉などが出演している。いずれ劣らぬ人気芸人たちばかりだが、誰もが胸に秘めている思い……というか、ネタがあるようだ。果たして彼らはそのステージで、どのようなネタを繰り広げているのか。その細かい感想については、後日細かく上げていく予定なので、期待せずにお待ちいただきたい。

ところで今回、このブログの更新が開始されてから、丁度“1000度目”の記事を書き上げることとなった。一日に一度の更新だったとしたら、およそ三年分。これはかなりの数であるといえる(実際はおよそ二年がかりなのだが)。『潜在異色』の感想文を、丁度ブログ始まって1000度目の記事で書き上げるというのは、なにやら面白いことのように感じる。まあ、つまり“1000在異色”ということなのだが……いや、考えてみればまったく意味がない。意味がないが、だから面白い。これぞ千載一遇の機会である……そうでもないか。

 ・関連記事:『潜在異色 ~人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物~ vol.1』

 ・関連記事:『潜在異色 ~人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物~ vol.2』

 ・関連記事:『潜在異色 ~人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物~ vol.3』