『潜在異色 ~人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物~ vol.2』
潜在異色 vol.2 (2010/05/28) 山里亮太(南海キャンディーズ)田中卓志(アンガールズ) 商品詳細を見る |
・出演
鳥居みゆき、伊達みきお、鈴木拓、山里亮太、若林正恭、田中卓志、山本博、有野晋哉、板倉俊之(出演順)
・内容
第五回放送(2010年2月13日)~第八回放送(3月6日)までの本編を収録
・収録時間(本編:約86分+特典映像:約108分)
・本編
・『母からの手紙』(鳥居×伊達)
ツッコミ経験の浅い鳥居みゆきが、伊達を相手にサンドウィッチマンのネタをフォーマットに用いた漫才で正統派のツッコミに挑戦する。要所要所に独創的なワードを組み込んではいるものの、あくまでツッコミ役に徹する鳥居みゆきの姿はなかなかの違和感を生み出している。一方の伊達も、ボケ役に徹する姿に珍しさはないが、やはり本来はツッコミであるためか、どこかぎこちなさを感じた。鳥居は勿論のこと、伊達の思わぬ一面が見られる演目といえるのかも。
・『ツッコミプロファイリング』(山里×田中×伊達×若林×鈴木)
五人のツッコミ芸人の中から選ばれた一人のツッコミを残された四人が分析し、「こういうボケを繰り出せばこんなツッコミが返ってくるだろう」と予想。実践する企画。ターゲットは田中。ツッコミプロファイラーとして定評のある山里と、田中の友人である鈴木が中心となって分析を行う。小憎たらしい若林にも注目。
・『お願い』(鈴木)
芸人としての仕事がなくてヒマな鈴木がまったくの素人のフリをしてテレビ局に電話を入れ、“鈴木拓”がテレビに出られるようにお願いする一人コント。「テレビに出たい」と言っているにもかかわらず悲哀をまったく感じさせない鈴木のボヤキは、恐ろしい程にこちらの心に突き刺さってこない。それ故に、あまりにもサバサバとしたオチは、これまた恐ろしいほどに爽快感に満ちていた。むしろ、相方の塚地がそのオチのポジションだということにリアリティがあることの方が、恐ろしい。ドランクドラゴンはこのところ芸人として、どちらも潜在してしまっている気がするぞ。
・『たりないふたり』(山里×若林)
“恋愛がたりないふたり”山里と若林が、各々の妄想ラブストーリーを展開する。今回は若林と安藤美姫の妄想ラブストーリー。ダメな刑事役としてドラマに出演した若林は、そのドラマで主演を務めている水嶋ヒロと親しくなり、その妻である綾香を通じて、安藤美姫と出会う……という、異常に完成された設定が素晴らしい。登場人物たちの動作の描写も細かく、きちんと見せた。
・『ツッコミプロファイリング』(山里×田中×伊達×若林×鈴木)
ターゲットは伊達。ツッコミプロファイラーとして定評のある山里が「伊達さんは難しい」というように、様々なパターンを持ち合わせている伊達のツッコミを予想することはなかなかに困難。それとは関係なく、うっかり変なことを言ってしまい若林に無視されてしまった鈴木の「こんなこと春日くんだってやるでしょ!」というツッコミに爆笑。
・『ダジャレの限界への挑戦』(山本)
「ダジャレというのは本来、会話の合間に織り交ぜてこそだと思うんですね」と語る山本が、何も知らない母親へ電話をかけて、舞台に用意した小道具を使ったダジャレを会話の節々にさりげなく組み込んでいく。特に笑えるわけではなく、しかし特に挑戦的というわけでもなく、なんともどっちつかずな演目。ダジャレ数のボーダーラインが設定されていれば、もうちょっと面白かったのではないかと思うのだが。演目後、観客が「お母さん可愛い!」と言っていたのも、仕方なし。
・『美しい日本語講座』(鳥居)
様々な言語が飛び交っている昨今の日本語の傾向を憂う鳥居が講師となって、きちんと美しい日本語について教授する一人コント。パンツスーツに身を包んだ鳥居の姿は実に美しいが、そんな彼女が丁寧語を使っていると妙に妖しい雰囲気を漂わせてしまうから不思議だ。ちょっと舌足らずなところが出てしまっているからだろうか。後半は鳥居ワールド炸裂。というか、別に『潜在異色』で演らなくても良かったのではないだろうか。面白かったけど。
・『ツッコミプロファイリング』(山里×田中×伊達×若林×鈴木)
ターゲットは若林。人見知り仲間でもある山里が中心となって、若林のツッコミを分析する。「オンとオフがはっきりしている若林は、我々に春日と同じツッコミをするのか?」という疑念が、より一層プロファイリングを白熱させていく。
・『いじめられっ子だけの同窓会』(山里×田中×鈴木×亮×若林)
中学時代にいじめられっ子だった五人の男たちが、定期的に集まって同窓会を行っている。彼らの同窓会には、ある一つのルールがあった。それは、現在のことを決して話さないこと。現在のことを話すことで五人の間に上下の差が生まれ、いじめが生じてしまうことを避けるためだ。ところが、鈴木が当時のクラスメート佐藤江梨子を呼んでしまったため、五人の関係に亀裂が入り……。話の内容も然ることながら、五人の状況を分かりやすくコミカルに見せる演出が、とにかく素晴らしい。いじめられっ子三人と落とし穴のくだりや、五人の順番を決めるくだりは、腹を抱えて笑った。このコントは田中が手掛けたという。新たなる時代を切り開いたコントしての手腕、まだまだ衰えず。
・『スロットマシーン刑務所』(田中×有野×板倉)
あるお題に対して全員一致の解答をしないと出所出来ない「スロットマシーン刑務所」に捕らえられた三人の囚人たちを描いたコント。やたらと凝った設定に気を取られてしまうが、要するに「お題に対して全員が同じ答えを出せばクリア」なゲームをフザケながらやっていると考えてみれば分かりやすいか。イジられればイジられるほど活きる田中と、おフザケを楽しめる有野・板倉のやりとりは面白いが、演目として披露する必要はなかったのではないか、という気もする。
・『たりないふたり』(山里×若林)
“恋愛がたりないふたり”山里と若林が、各々の妄想ラブストーリーを展開する。今回は若林とほしのあきの妄想ラブストーリー。ほしのあきにフラれてしまった若林が一人バーで酒を飲んでいると、そこに現れたアンジェリーナ・ジョリーに誘われる……と、今度は先ほどのミキティーとはまったく逆の「完全にバカ」妄想を展開。結果、この『潜在異色』で三パターンの妄想を見せた若林。次世代の関根勤になりうる存在……なのかもしれない。目指せミスター妄想力。
・特典映像
・『スロットマシーン刑務所 完全版』(田中×有野×板倉)
・『芸能界難民の無意味な相談』(山里×田中×鈴木×亮)
田中企画。司会が出来るわけでもなければ、好きなことが出来ているわけでもない、いわゆる“芸能界難民”を集め、それぞれの相談にきちんと答えられるかどうかを競うゲームを行う。山里が「(こんな企画を思いついた田中は)心が腐ってるわ!」と言ったように、かなり前提がキツい演目だが、メンバーがメンバーなためか、それほどストレスを感じさせない。内容もグダグダ、結論もグダグダで、まさに特典映像に相応しい内容だったな。それにしても田中はドイヒー(笑)
・『あるある力トレーニング』(田中×山本×鳥居)
「あるある力」が無さそうな三人の芸人に一つのシチュエーションを提示し、そのシチュエーションならではのあるあるネタを考えてもらい、番組が用意した“隠れあるある”を当てさせるゲーム企画。真剣にあるあるネタを考える田中・山本と、我が道を突き進みながらも的確にあるあるネタを放り込んでくる鳥居の対比がやたら面白い。場をボッコボコに壊してしまうほどの破壊者にはならない鳥居の、芸人としての技術力が堪能できる一本。
・「NEWS「リアルタイム」は5分しか放送されなかったけど実は30分以上も取材されちゃったのでせっかくのDVDなんだから全部見せちゃうぞ!スペシャル!」
・「潜在ウラトーク」
第四章:田中VS若林 最後の大人気ない戦い
第五章:メイキングオブいじめられっ子だけの同窓会
第六章:春日復帰の日