続・ザ・プラン9を観る~『編集者竹一平の苦悩』『なゐ震る』『銀行ノススメ』
家から少し離れたところにあるレンタルビデオで、再びザ・プラン9の舞台公演DVDを借りてきた。その店に置かれているプラン9のDVDは、これで全部借りてしまったことになる。まだまだ観たい公演が幾つかあったのだが、置いていないものは仕方ない。とりあえず、これで打ち止めである。それにしても……うーん。とりあえず今回も、前回と同様に感想を書いてみた。
THE PLAN9/編集者 竹一平の苦悩 [DVD] (2006/05/24) THE PLAN9 商品詳細を見る |
様々な作品を生み出している個性豊かな小説家たちに悩まされる編集者、竹一平が苦悩する姿を描く。……まんまだな。小説家たちの作品世界と竹一平の現実世界が次第に混沌を生み出していき、竹自身もその混沌に飲み込まれていく……という、妙に“ぶった”構成の脚本に閉口。こういう芝居を否定するつもりはないが、これまできちんと“笑える演劇”を見せていた彼らが、こういう手法に逃げてしまったことは残念で仕方ない。途中まではそれなりに面白かったんだけどなあ。
THE PLAN9 なゐ震る [DVD] (2007/03/28) THE PLAN9 商品詳細を見る |
地震研究部に所属する五人の学生たちの姿を描く。学生特有の軽さは軽演劇と相性がいいようで、終盤まではとにかく笑えた。鈴木つかさがこっそり持っていた背が伸びる薬を食べさせられた研究室のナマズが巨大化する展開には、ひたすら爆笑。ああいうビジュアルで笑えるネタは、純粋に楽しくていい。ただ、芝居としてのストーリーがあまりにも無視されすぎていて、そこが些か引っかかった。終盤になって急に重たいモノを持ってこられても困るという話。ただ笑えるだけでは満足できないのが芝居なんだな、と再認識。
銀行ノススメ [DVD] (2007/08/08) ザ・プラン9 商品詳細を見る |
とある銀行の一日を描く。……どんどんストーリーが希薄になっている気がする。個性的なキャラクターたちが動き回り、軽快でコミカルなやりとりが飛び交い、しかしきちんとシリアスはシリアスでこなすという、今回の三本の中では最も理想的な展開を迎えている作品。食べ過ぎたら太る女性行員とか、下らなすぎる。ただ、これにも問題が。ストーリーの中で起こる重大事件のとある部分が、かなり雑に扱われているのだ。ここが最後まで引っかかってしまった。こういう細かいところは、もっときちっとやってもらいたかったかな、と。とはいえ、今回の中で一番しっくりくる公演だったことは間違いないんだけれどね。
『弁斗とジェッ太』と『竹一平』の間の公演が気になる。探してみよう。