菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

『モンスターエンジントークDVD』

モンスターエンジントークDVDモンスターエンジントークDVD
(2010/08/25)
モンスターエンジン

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『神々の遊び』『ゴッドハンド洋一』などのコントで知られているコンビ、モンスターエンジン初のトークライブDVD。パッケージが某ピタゴラスイッチを彷彿とさせるシンプルさだが、別に佐藤雅彦は関わっていないらしい。トークライブのDVDといえば千原兄弟の『チハラトーク』や兵動大樹矢野・兵動)の『兵動大樹のおしゃべり大好き』などのイメージが強いが、今作に同様のクオリティを期待すると、肩透かしを食らうことになるだろう。

とはいえ、トーク自体の出来は決して悪くない。事実、面白いと感じた話も多く、車庫証明を取るために必要な手続きの面倒臭さについてボヤいた『車庫証明』や、カラオケのメロディに入るタイミングがまったく掴めない『リズム感』、神様コントをやっているからこそ体験した出来事を語る『神様キャラ』などは、それなりに印象に残っている。ただ、これをわざわざDVDにする必要があるのだろうか、とも思う。もう数年ばかり待って、彼らが芸人としてそこそこに成熟した頃にリリースした方が、もっと面白いトークが出来ていたんじゃないかという疑念は残ってしまう。西森の町工場で働く走り屋のアンチャンみたいなトークが面白かっただけに。

要するに、時期尚早の作品なのである。話術という点においても、コンビという点においても、まだまだ未成熟な彼らは、トークライブをソフト化するまでの実力がついていない。モンスターエンジンが若手芸人の中でも突き抜けた実力のあるコンビであることは認められるが、千原兄弟兵動大樹あたりに引けを取らないほどの突出したものを、彼らから感じることは出来なかった。

ここからは良からぬ妄想だが、ジャルジャルが上京してしまった今、大阪吉本は急いでその後釜となる若手芸人を探し出そうと焦っているのではないだろうか。このところ、baseよしもとに属する芸人のDVDが乱発されているのも、その焦りからくるものなのかもしれない。若手が取り上げられるのは結構なことだが、それで間違った結果になってしまうようではいけない。まあ、あくまでも良からぬ妄想だが。大阪の事情が分からないので、そういう余計なことをついつい考えてしまう。

次回作があるのかどうかは分からないが、その時はもう五年くらいスパンを開けた方がいいのかもしれない。そういう作品だった。


・本編(135分)

「車」「車庫証明」「新幹線」「「めちゃイケ」のドッキリで…」「リズム感」「西森の父」「境界線トーク」「辞書を作ろう「ふてぶてしい」」「辞書を作ろう「あせる」」「免許の更新」「集中力が高すぎる」「「めちゃイケ」」「神様キャラ」「神様キャラ その2」「神様キャラ その3」

・特典映像(24分)

「同期・上田歩武という男との同居生活」「辞書を作ろう「わびしい」」

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