菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

笑魂(9th Season)

『ヒーローショー』(本編23分+特典5分)

笑魂シリーズ 笑撃戦隊 「ヒーローショー」 [DVD]笑魂シリーズ 笑撃戦隊 「ヒーローショー」 [DVD]
(2011/04/27)
野村 辰二、柴田 基 他

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ナベプロ所属の漫才師、笑撃戦隊の漫才集。M-1グランプリ2010では準決勝に進出しただけのことはあって、そこそこに面白い。「芸人を引退してキャバ嬢に転職する」「相方を笑神教に勧誘する」「整形で背中に羽を生やしたい」などの特殊な状況下で繰り広げられるしゃべくり漫才は、各自が役を演じていたオールドスタイルの漫才を彷彿とさせる。しかし、肝心のネタがまだまだ弱い。もうしばらく熟成させれば、良い漫才師になりそうな気はするので、今後に期待したい。……どうでもいいけど、ボケの人がモンスターエンジン西森さんに見えて仕方がないのは僕だけか。

『THE BIG BANG!』(本編26分+特典4分)

笑魂シリーズ ケチン・ダ・コチン 「THE BEATBANG!」 [DVD]笑魂シリーズ ケチン・ダ・コチン 「THE BEATBANG!」 [DVD]
(2011/04/27)
谷村 啓太、吉田 幸市 他

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ナベプロ所属の音楽を取り扱ったコントに定評があるケチン・ダ・コチンのネタ集。彼らのネタといえば、あからさまな田舎者がメロディアスな「だるまさんが転んだ」「どちらにしようかな」「いけないんだ」を歌うスタイルが印象的だが、本作には違うパターンの音楽コントや漫才なども収録されている。漫才のクオリティは十人並だが、音楽コントのバリエーションの豊富さはなかなか目を見張るものが。楽曲に少しばかり批評性を感じさせられる点も、なかなか面白い。ただ、ネタの導入がいつも嘘臭いのは、どうにかならんのか。特典映像には、同事務所の100Wとツートンカラーと共に繰り広げる合同コント『応援団』を収録。バカで良い。

『このバカタレが!』(本編39分+特典7分)

笑魂シリーズ デンジャラス 「このバカタレが!」 [DVD]笑魂シリーズ デンジャラス 「このバカタレが!」 [DVD]
(2011/04/27)
佐藤 望(ノッチ)、安田 和博 他

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太田プロ所属のお笑いコンビ、デンジャラスのコント集。結成20年目を過ぎて、初めてのDVDが他の若手と同じ笑魂シリーズって、どうなんだろうなあ……と思っていたが、コントを観て少し納得する。ネタはそれなりに面白いんだけれど、大爆笑という程ではない。この微妙な塩梅で20年間を貫いてきたんだなあ……と思うと、なにやら感慨深いものが。とはいえ、流石に20年選手だけあって、ネタのこなれた感はとてつもない。その分、時代性も感じるけれど。今の時代に『米米のコンサートに行ってきました』か……。幕間に収録されているショートコント「バカタレが!」は、下らないけど勢いで笑ってしまった。過激な下ネタはまさにデンジャラス。特典映像には、彼らが再浮上するきっかけとなった『オバマとSPのショートコント』を収録。パーパパーパーパーパー♪

『東京スケッチ』(本編25分+特典7分)

笑魂シリーズ アルコ&ピース 「東京スケッチ」 [DVD]笑魂シリーズ アルコ&ピース 「東京スケッチ」 [DVD]
(2011/04/27)
平子 祐希、酒井 健太 他

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太田プロ所属のコント師アルコ&ピースのコント集。彼らの実力については「爆笑オンエアバトル」「爆笑レッドカーペット」などのネタ番組で知っているつもりだけれど、本作に収録されているコントにはなんだか心を惹かれない。多分、幕間で彼らが演じる謎のラテン系“フェルナンデス兄弟”がネタを解説する様なコーナーがあって、それを観るたびに気持ちが冷めてしまうからだろう。まだ若手なのに、どうしてそんな斜に構えた構成を? 立場が逆転している『逆面接』とか、本当はもっと面白いネタなのに入り込めなかった。鑑賞後は「もっと来いよ!」と言いたくなること受け合い。どーして、こーなった?

『うめびより』(本編29分+特典3分)

笑魂シリーズ 梅小鉢 「うめびより」 [DVD]笑魂シリーズ 梅小鉢 「うめびより」 [DVD]
(2011/04/27)
高田 紗千子、小森 麻由 他

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松竹芸能の女性コンビ、梅小鉢のコント集。補足すると、「とんねるずのみなさんとおかげでした」内企画「博士と助手 細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で話題になったコンビ。番組で注目されるきっかけとなったネタを詰め込んだ『路上ミュージシャン』ははっきり言って酷い出来だが、残りのコントはなかなかに狂っている。一度、理性をリセットして作った様なネタばっかり。でも、やっぱり根底には、松竹芸人ならではのベタさが漂っている。だから、そこそこきちんと笑える。もし、この狂気に、梅小鉢ならではの独自性を見出すことが出来れば、松竹の野性爆弾になれる可能性も……というのは、ちょっと言い過ぎか。特典映像の路上ライブも、ある意味で必見。