菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

『パンサーDVD PANTHER Vol.1』

パンサーDVD PANTHER Vol.1パンサーDVD PANTHER Vol.1
(2011/08/31)
パンサー

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蝶のように舞い、蜂のように笑わせる。

よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑いトリオ、パンサー。彼らは、東京NSC8期生の尾形貴弘、東京NSC9期生の菅良太郎、東京NSC11期生の向井慧の三人によって、2008年に結成された。

披露しているネタは主にコント。そのクオリティには定評があり、「キングオブコント2011」では準決勝戦に進出している。現在は、彼らと同様によしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属するお笑いトリオ、ジャングルポケットジューシーズとともに、深夜バラエティ番組「333 トリオさん」にレギュラー出演中だ。本作は、そんな三人にとって初めての単独作品である。

その定評通り、パンサーのコントは確かに面白い。“UNOを知らないバカ”と“UNOを知ってるけどバカ”を交えた三人でゲームを繰り広げる『UNO』、あまりの多忙さに色々な仕事を一度にこなしながらインタビューにも答える芸能人を描いた『忙しい人』、インターハイで獲得したメダルの違いがちょっとした差別を生み出す『メダル』など、あまりお目にかかったことのないシチュエーションのコントを、実に上手く転がしている。

ただ、その一方で、オチを粗雑に扱う傾向も。それでも笑える流れを作れているなら問題は無いが、時にそのせいで全てが台無しになってしまうこともあり、あまり良い傾向とはいえない。早急に対応する必要があるだろう。流石に【数年後、TV界を席巻する大期待の超新人トリオ】(※パッケージ裏より)とまでは思えなかったが、これからの進化が楽しみなコント集ではあった。

それから、少しだけ心配になったのは、彼らの芸風にそこはかとなくニブンノゴ!と同じ空気を感じたこと。ニブンノゴ!は、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属するお笑いトリオで、パンサーは彼らの後輩に当たる。軽快なテンポとバカバカしいノリが魅力のニブンノゴ!のコントは、まさにパンサーが演じているコントのそれと同じだ。しかも、活動期間が長い分、ニブンノゴ!の方がクオリティは高い。将来、両者が比較される可能性は否めない。パンサーには、ニブンノゴ!とは違う方向性が必要になるかもしれない。

その新たな方向性を、僕は本作の『Beautiful MANZAI』に見た。胸元に一本の薔薇を差したホスト風のスーツに身を包んだ三人が、セクシーかつ大胆に繰り広げていく美しき漫才。これは、メンバー全員がそれぞれに違った顔立ちのイケメンだからこそ為せるネタだ。本作に収録されているのはあくまでも冗談、悪フザケの域を出ていないが、このスタイルを更に開拓していくのも面白いのではないだろうか。……完全に余計なお世話の様な気もする。でも、メンバー三人が全員イケメンって、なかなか珍しいと思うのだが。これが武器になれば、ひょっとしたら……。

よしもとの若手トリオを青田買い。このイケメン三人、どうすか。


・本編(51分)

「UNO」「幽霊」「忙しい人」「Beautiful MANZAI」「誕生日」「葬式」「大人じゃない?」「銀行強盗」「学食にて」

・特典映像(128分)

「クイズ!尾形貴弘

「まさかの!向井のご両親がライブ乱入ドッキリ!」

「未確認生物「菅」は存在するのか!?」

「パンサー「男3人旅」」