菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

ハイキングウォーキング単独ライブ『根斗百烈拳3』(850字)

ハイキングウォーキング 単独ライブ 根斗百烈拳3 [DVD]ハイキングウォーキング 単独ライブ 根斗百烈拳3 [DVD]
(2011/11/23)
ハイキングウォーキング

商品詳細を見る

ハイキングウォーキングコントライブを収録したDVDシリーズ第三弾。その名の通り、100本とまではいかないが、単独ライブとしてはかなり多い19本ものコントが乱発されている……というと、なにやらショートネタブームを引き摺っているかのように聞こえるかもしれないが、そうではない。本編で披露されているコントには、瞬間的に終わってしまうショートネタもあるにはあるが、一方で終始きちんと組み立てられている長尺ネタもある。そこには、異様な姿で宴会芸を必ず失敗するショートネタ『Mr.スズキックスのスーパーイリュージョン』の面影など微塵もない。……あれはあれで面白かったけれど。

ネタのバリエーションも豊富だ。ドリフコントを再利用した『ボウリング場のスタッフにやたらとつっこむうっとうしい客』の様にオーソドックスなシチュエーションコントがあると思えば、ただただ「DJケーオーリー!」と叫びたいだけの『DJケオリ』の様にニュアンスの面白さを引っ張るだけのコントがある。先生に言われた“留年”の意味をさっぱり理解できない生徒を描いた『留年』の様なバカもあれば、相手を威嚇するという密かな楽しみを嗜む人たちが集まる『東京威嚇倶楽部』の様なナンセンスもある。先にも書いたが、本編では19本ものコントが披露されているのだが、どれひとつとして似ているものはない。その姿、まさにコントの安打製造機

ところが、これらの一見するとバラバラにしか見えないコント群が、最後の最後に思いもよらない展開へと繋がっていく。この演出には、些か驚かされた。まさに“スーパーイリュージョン”といっても過言ではない、そのラストを確認するだけでも、本作を鑑賞する価値はあると思う。唯一、惜しむらくは、前半で繰り広げられたとある一連のコント。シンプルながらも下らない構成に思わずニヤついたのだが、それ以後、その要素がまったく絡むことなく進行していったのには、少々肩透かし。とはいえ、純粋に面白いコントDVDであることに変わりはない。19発の拳、しかと受けてみよ。


・本編(96分)

「ボウリング場のスタッフにやたらとつっこむうっとうしい客」「恥ずかしいよ…叔父さん!」「もみもみばばあ2011夏」「くそ!負けた!」「ダム建設反対」「披露宴準備中」「うわ!やっちった!」「披露宴」「留年」「ダム建設反対2」「せんごくコント」「予想屋タクシー」「どういうこと!?」「東京威嚇倶楽部」「DJケオリ」「お待たせしました!ダム建設反対3」「じぐそうパズル」「迎え」「漫画喫茶」

・特典映像(73分)

「打ち上げトーク」