菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

『宮地大介第二回単独公演「人生リハーサル」vol.和田ラヂヲ』

宮地大介第二回単独公演「人生リハーサル」vol.和田ラヂヲ [DVD]宮地大介第二回単独公演「人生リハーサル」vol.和田ラヂヲ [DVD]
(2013/09/25)
宮地大介

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ウエストランド瞬間メタル日本エレキテル連合など、個性豊かな芸人たちが所属していることで知られる芸能事務所タイタン。そこに、ひっそりと咲いている月見草の様な芸人がいる。俳優としても活動しているピン芸人、宮地大介だ。恐らく、宮地はテレビでは評価されにくい芸人だろう。その慎ましく、穏やかで、静かに広がっていく彼のコントが、バラエティの喧騒に負けてしまうことは想像に難くない。だからこそ、その舞台には価値がある。本作には、宮地大介が作・演出に和田ラヂヲを迎え、2013年2月に開催した第二回単独公演の模様が収められている。

宮地大介のコントは笑いどころが少ない。ザリガニの脱走について熱弁する男、お墓を専門に取り扱っている店の販売風景、刑務所内で流れているラジオ番組のDJブースなどなど、一風変わったシチュエーションを淡々と演じてみせる。それはまるで、彼らにとってはごくごく日常的な風景が、そのまま切り取られているかのように。やがて、それぞれのコントで彩られていた複数の風景が、一つのパノラマを作り上げていく。“一人芝居”という孤独な手法だからこそ表現することの出来る想像力豊かなドラマが、そこに生み出される。いわゆる爆笑を求めている人には不向きだろう。華やかなパフォーマンスに期待している人向けでもないだろう。だが、ここには、この舞台には、この舞台にしかない魅力がある。一見の価値、十二分に有り。


■本編【78分】

「ザリガニ」「墓王」「ラジオ JAILWAVE」「痴漢都市」「社会人」「の星」「ラジオ お昼のヘヴィ・メタル」「樹海」「ラジオ 夜の手芸教室」「人生リハーサル」

■特典映像【20分】

「宮地大介第一回単独公演「ディスクジョッキーを黙らせろ」vol.深作健太」ダイジェストバージョン