菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

『バカリズム案7』

バカリズムライブ番外編「バカリズム案7」 [DVD]バカリズムライブ番外編「バカリズム案7」 [DVD]

(2013/07/24)

升野 英知

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21世紀を代表する天才芸人バカリズムが、その他の追随を許さない発想力によって生み出した思い付きを発表するライブ第七弾。いくら天才芸人とはいえ、同じ形式のライブを何度も何度も何度も何度も続けることは難しいようで、本作では過去の『バカリズム案』でも披露されたフォーマットが幾つか流用されている(何度目だ「知らない県の解説してみる」パターンのヤーツ!)。とはいえ、その内容は相変わらずブッ飛んでいて、面白いと言わざるを得ないパワーを放っている。なんで野球の道具の代わりに台所用品を使わなくちゃならないのか。“非常口”を別の漢字を使って表現しなくてはならないのか。何故に阪神の選手がアフリカに生息しているのか。本能寺の変がドッキリ特番だった場合のスケジュールを創作するのか。何処までも無意味、無生産、無駄無駄無駄ァ! だけどそれこそエンタメの神髄の様な気がしないでもなかったりして。

その中でも、最後に披露された案は、ある意味で至極。その内容は、誰もが知っている『浦島太郎』の不条理な内容について、バカリズムが徹底的に怒りをぶつけるというもの。そこでのバカリズムは、もう「人志松本のゆるせない話」でも見せていた怒髪天衝き衝きモード全開に、『浦島太郎』のストーリーを完全否定。そして、遂には勝手に新しい『浦島太郎』の話まで作ってしまうのだが……それだけでは終わらせないから、実にたまらない。スタッフロールまでしっかりと味わわなくては!

本作には、2013年2月17日にシアターサンモールで行われたライブの模様を収録。ちなみに、『バカリズム案』第一弾は2009年に開催され、その後は一年に一回(時には二回)のペースで行われている。なお、バカリズムは新作コントを披露する単独ライブも一年に一回(時には二回)のペースで行っていて、2010年にはそれぞれのライブが二回ずつ(つまり新ネタライブを年四回)開催している。天才とバカは紙一重などという言葉があるが……発想のパッキンがバカになっているんじゃないか、ホント。


■本編【92分】

「注意に関する案」「代用に関する案」「歴史に関する案」「野球に関する案」「想像に関する案」「昔話に関する案」

■特典映像【19分】

「没案」「雑案」