菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

「チョップリン凸劇場」(05・06・29)

チョップリン凸劇場  [DVD]

チョップリン凸劇場 [DVD]

 

チョップリンがABC(朝日放送)にて放送していた看板番組のビデオ化。
チョップリン凸劇場」「ABCコントカーニバル」から選りすぐりのコントを収録。
2時間ひたすらコントばっかり。今回はスタジオコントのみ解説&感想を書いています。
質問には比較的答えます。ジャンジャンバリバリ。

●「ティッシュ」
ティッシュを検品するバイトの方法を後輩に教えるコント。映像は「第24回ABCお笑い新人グランプリの時のもの。やっぱり面白い。東京ダイナマイトのカバーとは違う雰囲気の良さ。特に小林さんが西野さんを病気だと疑う部分は面白い。「ガンだろ?」「それは検査したことがないから分からないッス」完全否定しないところが良いよねえ。

●「美容院」
やけにテンションの低い美容師に髪を切ってもらうコント。珍しく小林さんがキャラを作っているのですが、とにかくGacktっぽい。なんかカッコつけてる。それに翻弄されてる西野さんがなんとも言えません。なんだかチョップリンらしくないコント。こういうのを序盤に持ってきて良いのかしらん、とか思いながら観る。割と辻褄のあったコントでした。

●「ニューヨーカー」
アメリカで迷子になっている西野さんに、黒人の小林さんが道案内しようとするコント。何度見ても小林さんの黒人、というかマネキン頭が恐い。あんなんに見られたら「恐い!」と言い続ける西野さんの気持ちも分かるよなあ。しかし、ここまでマネキン頭を上手に使うコントも珍しいなあ。設定を思う存分、使いまくってました。

●「映画監督」
映画監督の小林さんが役者の西野さんを指導するコント。似たようなコントをドランクドラゴンもやっていましたが、アッチはセンス、コッチはバカが光っています。好きなクダリは、無重力を身体で表現しろと言われて、フワフワした感じの動きをする西野さんに浮いた感じの動きでカロリーメイトポカリスエットを飲まそうとする小林さん。このときの会話が素晴らしい。「お前、手が入ってる!」「大丈夫だ、CGで消すから」「じゃあ無重力をCGでやれよ!」こんな感じ。このバカさがたまらないですねえ。

●「鼻ホットドッグ」
西野の家庭教師としてやってきた小林の鼻にホットドッグがついているというコント。なんとなくよゐこの「たくわん」のコントを思い出しますね。この鼻ホットドッグを気にし続ける西野さんを放っておいて、雑誌のホットドッグを読んじゃう小林さん。それから、「ホットドッグは鼻だけじゃない」といって股間を強調する小林さん。最高でした。

●「幅跳び」
幅跳びの選手な小林さん、観客の数に緊張して失敗ばかり……というコント。三回飛んでます。三回飛んだら終りです。短いコントなのです。西野さんは無言だし。小林さんの一人コントみたいなものだと思っていただければ。

●「トイレ」
トイレに入った二人は、壁無しで向かい合った形になっている洋式トイレを見て混乱する……というコント。アメリカザリガニのコントにも同じようなコントがありましたねえ。ただ、それよりは幾らか深いかと。便器は回転するし、便器の中にはジュースが入っているし、なんでか音姫搭載だし。個人的には一番好きなコントかもしれません。バカで。

●「富士山男」
芸人の命がけネタ見せコント。ちょっと複雑なのですが、何故か楽屋で芸人のネタを観ている西野さんがピストルを持っていまして。で、ネタをやる若手が面白くなかったり、何かに不快感を抱いたりするとピストルで撃っちゃうんです。で、その芸人たちの中に富士山を被った男(言うまでもなく小林さんです)がおりまして。彼もネタ出しをするというコントです。見た目が怪しい割に、どうも本人にやる気が無いという感じがとても面白かったです。富士山被ってるのに芸名がピンクだし。名前をトンガラシ小林に変えさせられるし。なんだかムチャクチャな土台のコントでした。

●「変なお姉さん」
友だちの家に遊びに来た西野さん、友だちのお姉さん(小林さん)と一緒に友だちの帰りを待つコント。お姉さんの行動に心の中でツッコミを入れていくコントなのですが、とにかくこのお姉さんがオソロシイ。身長を測るのが趣味だったり、急に西野さんの髪の数を数えたり

●「バスケット」
埠頭で待つヤクザの元にバスケットボールの選手が道を尋ねてくるコント。ヤクザに「抜くぞ?」と聞いたり、バスケの動きが反則ばっかりだったり。やたら面白かったのですが、オチが今ひとつというか、これで終わって良いんだか、というか。何処か中途半端なオチで、これは改良せねばならんでしょう、と心ひそかに思ったのでした。

●「第2の志村けん
志村けんが死んだから第2の志村けんを探すオーディションをする、というコント。小林さんのキャラクターがムチャクチャすぎる。ひたすら「デスッ!」と言い続ける男なんですけど、なんか妙に評価が高いんですよ。オーディションの内容もおかしい。志村けん関係のフレーズが出たら手を挙げたりとか(志村速度)。もうワケが分からん。でも面白いなあ。

●「刑務所」
逮捕された西野さんの面会に小林さんが来るコント。アロハにバンダナという、妙にチョケてる小林さん(笑) 西野さんの逮捕理由が「おっさんの髪切ったら、神経が通ってた」って(笑) かなりブッツケな感じのコントで、短いです。

●「タクシー」
客を待っているタクシー運転手のところに、血だらけの小林さんが客としてやってくるコント。「笑金」に初めて登場した時に披露したコント。特に意味無く天かす食ったりしてるのが良いですねえ。小林さんの適当な発言っぷりが良いですねえ。かなりコント的。良い意味で。オチがベタ。この展開で堂々とこんなオチを持ってくるあたり、ある意味スゴイですよ。

●「影」
西野さんのをやっている小林さんに説教するコント。オンエアバトルで初オンエアを飾った作。どうもビデオには収録されていないらしい。ダルダルな影が良いです。ちょっとふてぶてしいのも良いです。あと「盗塁したら影だけ一塁にいた」「ぎゃっきゃぎゃっきゃ!」「二塁けん制」は鉄板の模様。

・お気に入り作品
「ティッシュ」「映画監督」「鼻ホットドッグ」「トイレ」「タクシー」「影」

・総評
とりあえずスタジオコントの部分は面白かったのですが、それ以外の屋外コントは今ひとつピンとくるものがなくて、これはもう普通の単独ライブビデオにすれば良かったんじゃないかしらん、とか良からぬことを考えたりしました。それでもスタジオコントの本数は相当なモノなので、良い作品だと思いますよ。はい。