菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」(ラーメンズ第11回公演)

そんなにネタバレしてませんが、読んで面白いかどうか分かりません。
というか、早く「アリス」をVHSかDVDにしてくれないものかねぇ。

 

●「本人不在」
NHKの料金取立の練習をするコント。まあ、実際はもう少しウラがあるんだけれども、まあネタバレになっちゃうので。あんまり書けない。でも、まあバレても問題はないと思うけど。でも隠す。あい。とにかくバカの一言。NHKの料金取立人と支払おうとしない客の攻防戦は、本当にバカ。屁理屈に頑張って対抗するNHK取立人役の人間の押し入り方は「頑張ってるなあ」と思ってしまうくらいに頑張ってる。良い感じの始まりかたでした。

●「エアメールの嘘」
卒業旅行でアラスカに行った人間の話を聞く。なんでも一緒に行った知り合いは現地で頑張っているらしく、その人からエアメールも届いていたので読んでもらった。すると、なんだか変な点がいっぱい……というコント。これの延長線上に「LENS」があるのだなあ、と。嘘偽りを自然に話す片桐に、思わず騙されてしまう観客。そして、その嘘を一つずつ見破っていく小林。日常に潜むミステリーって感じでしょうか。

●「レストランそれぞれ」
超能力が使えないと悔やむ男とその友人のコント。超能力関係のコントは前にもあったけど、今回は二人が何人もの役柄を演じるというトリッキーなもの。これに似たのをバナナマンがやってたなあ、そういえば。あ、バナナマンのほうが先ですよ。ちなみに。このコントに出てくるウェイターさんのキャラクターが良い。このキャラがより濃厚になって出てきたのが「1313」のホテルマン、という印象。

●「怪傑ギリジン
怪傑ギリジンのことを信じない少年の前に現れる怪傑ギリジンのコント。「タカシと父さん」同様、やたらと暴れまくる片桐。元気です。このキャラクターが気に入ったのか、後で2回ほどギリジンは登場するわけですが。良いですねえ、ギリジン。とにかく元気で、とにかく無茶苦茶。やりたい放題で楽しい感じ。と、あんまり「タカシと父さん」以上の感想を書けそうにないので、この辺で。後には何も残らない。

●「小説家らしき存在」
小説家、常居次人と編集のコント。「お時間様」よりもずっとミステリー色が強くなったコントで、オチに近づくたびに緊張感が漂うように。そして最後に……。このタイプのコントは、次公演「ATOM」の「採集」で頂点に達するわけなのですが……いやあ、この理不尽さと緊張感、やっぱり凄いぞラーメンズ

●「マーチンとプーチン2」
説明不要。とにかく楽しんでください。

●「蒲田の行進曲」
蒲田の公園で桜の場所取りをしている二人。一人は偉そうにしている男(近藤サン)で、もう一人はその家来みたいな男。二人は実は不思議な関係で……というコント。感動モノといえば感動モノなんだけど、なんだか泣くに泣けない。とりあえず、冒頭で片桐に思いっきりバットで殴られる小林を見て「ああ、片桐さんもストレスとか溜まってたんだなあ」とか、勝手に思ってしまいましたが。演技だってば。シメにしては、もうちょっと重厚感がない。でも、あの演出は好きです。

●総評
普通のコントが多かった感。裏パッケージに「観ればわかる」と書いてあるように、なんだか分かりやすい感じのネタが多かった気がします。ラーメンズファンの中では「最初に見せるラーメンズ」と言われているだけのことはありますが、やはり濃厚なラーメンズを求める人には物足りなかったのではないか、と思います。当人たちも少なからずそう思ったのか、次公演「ATOM」は本当にギトギトのラーメンズになっていますが。「雀」同様、地味といえば地味なんだけど、全体のレベルアップを感じさせる公演。