菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

「LENS」(小林賢太郎プロデュース第4弾)

小林賢太郎プロデュース公演 「LENS」 [DVD]

小林賢太郎プロデュース公演 「LENS」 [DVD]

 

●物語と詳細
ショートムービー「百色眼鏡」の設定を、そのまま持ち込んだ推理劇。
幽霊が出るという噂の図書館で書籍消失事件が起きる。その犯人を追う。
主役は片桐仁から小林賢太郎に。枠を大森南朋・犬飼若浩・久ヶ沢徹西田征史が固める。

 

・役者別感想
小林賢太郎(天城)
今回、初の主役。その割に目立った役ではなかった。
その代わり、やたらと話題に首を突っ込む役で忙しそうだったような。
極端にボケ役じゃなかったからかしら。なんだかんだで、楽しそうな役でした。

大森南朋(駒形警部)
「百色眼鏡」にも登場した関係で、初登場。
渋い声と崩れないキャラクターが良かったです。それでいて面白いポジションでしたが。
最終的には天城と対決(?)する感じになったのは良かったですね。
結局、格好良い感じの役どころでした。良いなあ。

久ヶ沢徹(春日巡査)
「Sweet7」以後、出ずっぱり。相変わらず筋肉バカ。
回を増すごとにバカになっていく久ヶ沢さん。今回は記憶力がまるで無い男です。
片桐さんがいなかったぶん、ボケの数も圧倒的に多かったように思います。
最後の最後で良い感じの役どころになるのは「Sweet7」の名残。

西田征史(車夫)
前公演「PAPER RUNNER」のキャラクターを引き継いだ感じ。
しかし今回は第三者的ポジションではなく、事件にどんどん首を突っ込んでいく。
天城・駒形が最初は推理を始めようとしないので、それまでの時間稼ぎみたいな位置。

●犬飼若浩(犬飼)
根が真面目な図書館職員。割に普通な人。
過去の公演では「サイボーグ」「ロボ」と表現されてきましたが、今回は静か。
ごく普通の真面目な人を演じています。それ以上でも以下でもない。
今回はツッコミ役に徹しています。

・総評
まず、この公演に笑いや推理を求めてはいけないと思う。
もちろん小林賢太郎らしい、計算されたボケや推理もしっかりとあるんだけれども。
でも、それ以上に堪能すべきは「雰囲気」だと思う。
夕方から夜にかけての時間、洋書ばかりの図書館、古めかしい衣装の人々。
時事ネタは少ないのに、これだけ大正の怪しげな雰囲気が出せているのは凄いと。
過去の公演の中では、最も演劇らしい公演なのではないかと思います。