菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

「2丁拳銃コントライブ 銃響曲―SYMPHONY―」内容と総評

銃響曲-SYMPHONY- [DVD]

銃響曲-SYMPHONY- [DVD]

 

ネタばれしまくっているような気が。
でも、そんなにしていないような気も。そんな感じ。

 

序曲「指揮者」
舞台、一人で指揮をしている小堀。ファッションについて指揮。「オーバーオールに紺ブレはダメ!」そこに遅刻してきた川谷。ギターを持って登場。生徒が一人。もうすぐ本番なのにどうして遅刻するのか、と怒る小堀。早速練習を開始する。指揮のタイミングが分からないから言ってから始めてくれと言う川谷。「じゃあ、分かりやすく1・2・3ハイッで入るわよ! せーの!」「せーのなったがな!」演奏開始。表現方法を例えで川谷に伝えようとする小堀。でも、分かりにくい例えで川谷を翻弄する小堀(この時の例えが後のコントに繋がっていきます)。最終的に小堀に愛想が尽きて帰る川谷。「でも、この感じが良いのよ」

・第一楽章~友情~
●「真面目な男 考えられる男」
自衛隊の衣装を着て舞台袖から舞台袖へ突っ込んでいく二人。実は二人は「映画コブラーマン」エキストラのバイト。何度も走らされる。そしてようやく休憩時間。弁当を食べようとする川谷は近くにいる小堀を誘うが、小堀は「機動隊になりきれてない僕が弁当を食べる資格はない」と言って、練習を止めようとしない。それに対して川谷「そのシーン、もう無いで」。そんな川谷に小堀は「役者根性無いッスカ」と詰め寄る。金のためにやっている、と言う川谷。「僕やらしてもらえるんやったら金要らないっす。五千円いらないっす」と言う小堀。続けて「三千五百円ぐらいで良いです。交通費は別でお願いします」「合わしたら五千円ぐらいになるんちゃうん?」。それから小堀の役作りに対する情熱を聞かされる川谷。いちいち真面目な小堀に「死ねッ!」と斬り捨てる川谷。休憩時間が終り、撮影再開。すると、無駄に役作りをしてきた小堀が足を引っ張り始める。(コント終了後、「コブラーマン」の宣伝)

●「夜のふたり」
ヤンキーの格好で自転車を乗り回す小堀。川谷の部屋に石を投げつける。やがて二階の窓を開く川谷。遊びに行こうと誘う小堀に対し、怒る川谷。どうにか下に川谷を下ろそうとする小堀。オモロい写真を見せようとするが、川谷は窓を閉めてしまう。しばらくすると下りてくる川谷。写真は同級生の全裸の写真。全裸が面白いという小堀に対し、靴下だけ履いている点を笑う川谷。その後、どうでも良い会話を続ける二人。

・第二楽章~涙~
●「漫才師~夫と嫁と彼氏と彼女~」
新宿亭黒アリ・白アリの夫婦漫才。妻を演じる小堀、ペラペラ喋り捲る。やがて漫才は終り暗転。少しして明転。舞台裏の新宿亭の姿。そこに現れるマネージャー川谷。「あのくだり良かったですねえ~、ピクルス抜くか抜かへんかのくだり」「そんな漫才やってへんわウチら! ウチらやってた前の若手のコンビや!」実は小堀と川谷は不倫関係にあった。どうしても川谷と結婚したい小堀は、マネージャーと漫才コンビを組むことを決める。そうして三人で漫才。新宿亭黒アリ・白アリ・羽アリ。不倫関係であることを前面に出した漫才を披露。再び舞台裏。楽しそうにする小堀。しかし、川谷は別の彼女が出来たので別れたいと切り出す。怒りのあまりおかしくなった小堀は、四人で漫才をすると言い出す。

●「パラソルワールド」
地球とよく似た生活をしている惑星。ただ、地球人と違うのは「そこの人たちはいつも傘を差している」ということなのでした。……そういう設定のショートコント集。あらゆる、傘を使ったコントを披露。「傘ボクシング」「傘ゴルフ」「傘野球」など。

・第三楽章~勇気~
●「海賊のおっさん」
目に眼帯をつけて眠っているおっさん、小堀。そのおっさんにイタズラしようとする子供、川谷。あっさりおっさんに捕まる子供。実はクラスのいじめっ子に、おっさんの眼帯を取ってこいと言われたらしい。おっさんの眼帯を持っていかないと、明日1000円取られる。いじめられているのに原因があるんじゃないか、と言うおっさん。自分のことを説明(お金持ち、親は医者、お母さんはなんでも買ってくれる)すると、おっさんは「嫌な子やなぁ…」。もっといじめっ子の気持ちになれ、と言うおっさん。そしておっさんは子供に眼帯を渡す

・第四楽章~愛~
●「ひかれた女」
職員会議に遅刻しかかっていた新米教師、川谷。ある頭の大きな女性(小堀)を車で轢いてしまう。轢かれた女は川谷に一目惚れ。職員会議に遅れそうになっている川谷に「お行きなさい!」。彼女に名刺を渡して、学校に向かう。再び彼女と会うことになった川谷は、彼女に「あなたが欲しい」と告白される。最初は断り続ける川谷だったが、彼もまた彼女に惹かれるようになっていく。

・総評
間違いなく面白いネタばっかりなんですけど、どうも地味です。前作よりも長く感じるネタが多く、笑いの起きる現場というよりは、ちょっとシリアスな芝居の現場みたいな雰囲気が漂っております。きっと、ネタごとにテーマがあるからなのでしょうが。面白いのに勿体無いなあ、とか思ったりしました。そこには少なからずナルシシズムを感じるのですが、それがダイノジみたいに上手く笑いになっていないような。ちょっとシリアスになりすぎているような。そんな印象を抱きました。「百式」みたいに『軽く楽しく』みたいな感じだと良いのですが。まあ、漫才とコントが同じスタンスである必要でなくても良いと思うので。それはそれで、良いのではないかと思います。あい。なんにしても、地味だったなあ。そりゃ、派手なほうが良いわけではないけれども……。