菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

副題:お前の涙は信用できない

メンタル三兄弟の恋 [DVD]

メンタル三兄弟の恋 [DVD]

 

ここ最近では最高の出来栄えなライブ。

簡単な内容紹介+感想。

 

●「メンタル三兄弟」
同じ屋根の下で暮らす、中年の三兄弟。彼らは一見、実に平凡な生活を過ごしているように見えたが、彼らにはそれぞれ秘密があった。長男(斉木)には、自分がホログラムではないかという妄想が。次男(きたろう)には、自分の家をサラリーマンの吉田さん(中村)が支えているという妄想が。三男(大竹)には、ダンスの振り付けをしたいという欲望が。その秘密は、決して他の兄弟に悟られてはならなかった。「やっ! メンタル三兄弟!」

●「パッションショー」
寿司屋で働く四人。そのうちの一人(きたろう)がパッションショーをやろうと提案する。自分たちの店に足りないのは客とパッション、ならばとりあえずパッションから始めようというわけだ。早速パッションショーの計画を練る四人。パッションの基本である叫びから始まり、様々なパッションを披露しだす。「パッション! パッショ~ン!」

●「予期せず余る時間」
特に必要としないのに、何故か余ってしまった時間の使い道について考える三人(大竹、きたろう、中村)。会議室で、そのことについて会議する。そのうち時間を気にすることはどうだろうという話になり……。「イケメンをそろえて、イケメン館にしちゃうのは?」

●「武装サラリーマン川柳
読み手(斉木)と武装サラリーマン(中村)。読み手が、入選した武装サラリーマン川柳を読み上げる。その横で、武装サラリーマンはひたすらトレーニングを続ける。「無意識にまず急所見る初対面」

●「三人のカウンセラー」
カウンセリングを受けに来た男(中村)。そこには、何故か三人のカウンセラー(大竹、きたろう、斉木)が。「カウンセリングというのは一人だと大きな負担がかかる。だから、三人でやっている」と医師は言うのだが。「おにぎりにクスリが」

●「ニコールキッドマンショー」
ハイテンションな司会者(中村)が、ニコールキッドマンに扮した人々(大竹、きたろう、斉木)を紹介していく。ニコールキッドマンショー。「♪人がこの世で知る最高の幸せ♪」

●「リフト上の詩人」
スキーのリフトに乗っている三人の詩人(大竹、きたろう、斉木)。雪山の頂上で詩を読もうと思っていたのに、スキーリフトが途中で止まってしまった。リフトの上で詩を読んだりして時間を潰す面々。「あれじゃ絞首刑だよ!」

●「メンタル王国対スキル王国」
国境で水を抑えている旅人(斉木)。水が溢れ出すと、国に多大なる被害がもたらされることは間違いない。そこへやってきた、メンタルの強いメンタル国王と、スキルの高いスキル国王。この二つの国は大変に仲が悪く、協力して解決すれば良いところを喧嘩してしまう。と、そこへ虎に襲われている男(大竹)が……。「カスミソウを散りばめてみよう」

●「熱海の警官」
変な男(中村)に襲われた警官二人(大竹、きたろう)。とことん逃げまくった末に、二人は熱海へと来てしまう。テレビでも報道され、今更帰れない二人。民宿で時間が過ぎるのを待ちながら、ただただ後悔を続ける。「なんで電車乗っちゃったんだろう!?」

●「人生はパチンコ玉みたいなモノ」
昼休み。客を待ち続けている定食屋の亭主(斉木)。目の前をOLたちが通り過ぎていくが、まるで店に入る気配がない。そんなOLたちの姿が、亭主には、まるでパチンコ玉のように映った。そこへ三人のサラリーマン(大竹、きたろう、中村)がやってきて……。「A型リーチ!」

●「メンタル三兄弟2」
再びメンタル三兄弟。振り付けの妄想を続けていた三男は、少しずつダンスの振り付けがカタチになってきたが、求めていたものとは違ってガッカリする。次男の妄想だった床下の吉田さんは、新しい家族を作って他所へと旅立ってしまう。ホログラムの妄想のままの長男は、調子が良好だった。そして彼らの日々は、大きくドラマを生み出すことなく、異様に進んでいくのだった。「やっ! メンタル三兄弟!」

●「不動明王ショー」

・全体的な感想
三木聡時代と比較されがちな昨今、ようやく対抗できる完成度のコントが観られるようになってきたんじゃないかなあ、と思います。三木時代の頃に見られた全体のフィット感・ドラマチックさは弱くなったけれど、そのナンセンス度は三木時代のそれの二回りほど上をいっていると思われます。全体から漂う無茶苦茶さ、意味無しさは芸術級。それでも、かつてのケミストリーを期待している人には弱く感じてしまう公演だったようにも思えます。ただ、次の公演は本当に凄いモノになるのではないかと期待しています。現在、シティボーイズの脚本・演出を主に手がけている細川徹彼の次回作に、期待します

そして今回の客演、のろま会。実際のところ、シティボーイズ中村有志という公演に添付として参加していたような、そういう印象。良い添付だったと思いますが、それぞれの印象は弱かったです。む。