菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

「鍵のないトイレ」(シティボーイズ/03・07・23)

シティボーイズDVD-BOX RETROSPECTIVE-CITYBOYS LIVE! [BOX1]

シティボーイズDVD-BOX RETROSPECTIVE-CITYBOYS LIVE! [BOX1]

 

 

●「干し葡萄のお父さん」
干し葡萄を食べながら、子供の頃の話をしている大竹ときたろう。
きたろうが子供の頃、トイレには鍵が無かった。だから、逆に鍵がかかっていると出ない。
そんな話の最中、大竹が壁に付いている干し葡萄に気付く。
「なんでこんなところに……」と話をしていると、裏から斉木しげるが現れる。
(一言感想:オープニングコント。妙なインパクトがあります)

●「花火を嘗めた男」
飛行機を待つ三人。斉木は笛を吹いていて、残りの二人は会話中。
きたろうは昔、うっかり花火を嘗めてしまった。以後、ずっとビクビクして生きている。
その話を聞いていた大竹は、突然話の最中に立ち上がって、一回転する。
「どうして回るのか」と聞くきたろう。しかし、教えようとしない大竹。
そのうちに斉木も回りだす。困惑しっぱなしのきたろう。そこに鳴り響く春雷
以後、三人の会話は淡々と続く……が、きたろうは少し仲間外れにされている感。
そして鳴り響き続ける春雷
(一言感想:三人のワールド全開。大竹と斉木が実に不可解な人物を演じてます)

●「杉山の博覧会」
杉山(斉木)の博覧会に来た二人の男。かつて、杉山と同様に美術を専攻していた。
二人で杉山の絵を見ているのだが、どうも素人目で才能の無さが分かってしまう程の出来。
しかし杉山を調子に乗らせたのは二人。仲間の自分達で引導を渡してやろう、と話す。
そこに杉山が登場。「よぉ! 魂を売った人々!」と二人に言う。
それを聞いた本田(きたろう)は、思わず「手遅れだ」と。
それから二人は、杉山の絵を真剣に批判することに。
二人は杉山の絵を程ほどに誉めたり貶したりしようと思うのだったが。
(一言感想:人間模様がアリアリと。いかにも大人といった感じのコント)

●「機能主義者の憂鬱」
きたろうの取材を受けている大竹。あらゆる行動には必ず機能がある、と力説する。
そこに、アライグマを自称する斉木が現れて……。
去った斉木を見て、きたろうは言う。「先生、あれにはどんな機能が?」
(一言感想:ミニコント。大竹の苦悩がなんともいえない)

●「自己破産の日」
自己破産をするため、弁護士(大竹)と打ち合わせをする篠原(きたろう)。
真面目に自己破産の説明をしている弁護士に対し、どこか心ここにあらずの篠原。
「真剣に自己破産するつもりがあるのか」と怒る弁護士は、所用でしばらくの退場。
一人残された篠原。そこへ数々の困難が訪れるのであった。
(一言感想:一番好きなコント。「瓶蓋ジャム~♪」の一言に尽きますな)

●「鏡と対話する男」
鏡と対話すれば自分が冷静に見られる、ときたろうに言われた斉木。
試しに対話をしてみる。最初は照れくさいが、なかなか調子が良い。
そして少しずつ鏡と上手に会話するようになり……。
(一言感想:斉木しげるショータイム。本当に、相手役の要らない人だなあ)

●「何見てるんですか?」
ショートコント。遠くを見ている大竹に、話しかけるきたろう。
大竹は遠くにいる男を見ていた。男の正体は妹の夫。ある女性と関係していた。
その女性が実の姉。ドロドロ。ドロドロ。
遠くを見ている斉木。占い師を見ていた。沢山の女の子が並んでいる。
占いの結果を見て楽しそうにしている女の子、車に轢かれる。ドロドロ。ドロドロ。
再び大竹。大竹は男を見ていた。三年前に蒸発した弟。長い手紙を残して家を出た。
そして、その弟の正体は……!
(一言感想:短いながらも印象深いショートコント。オチがバカすぎ)

●「ははーんさん」
外国のモーテルの一部屋に泊まることにした大竹ときたろう。
「フロントにホモだと思われている」と言うきたろう。悪趣味だと思われたくない。
くだらないことを気にするな、と言う大竹。ソファにどっしりと座る。
すると「そっちに座りたい」と言うきたろう。二人で半分ずつ座る事に。
そこに偶然現れたボーイ(斉木)。「ははーん」と。意味深な笑顔とともに立ち去る。
慌てる二人だが、呼び止めるのもアレなので放っておく。で、とっとと寝ることに。
アタッシュケースを開けて寝る準備。と、きたろうが何かを持ってきている。
何かの正体はチクワ。二人でモソモソ食べていると、再びボーイ。
またも「ははーん」と言い残し、立ち去る。以後、ホモと思われ続ける二人。
どうもタイミング良く現れるボーイを、きたろうが「ははーんさん」と命名。
(一言感想:こっちも好きなコント。斉木がバカすぎる)

●「幸福の量に関する二三の考察」
抽選会場。斉木ときたろうの二人が会場で客を待っている。
きたろう曰く、抽選用のティッシュは普通のティッシュよりも薄くなっている。
ちゃんとした人から聞いたらしい。すると、「ちゃんとした人って何?」と斉木。
説明できないきたろう。「私はどう?」と聞く斉木に、「ちゃんとしている」と答える。
「向こうから来る男は?」と聞くと、「全然ちゃんとしていない」と答える。
向こうから来る男の正体は大竹。二人の同業者。まるで客が来ていないことを愚痴る。
一等賞のテレビ。朝一番で当選してしまった。二等は、二十年間磨きに磨いた棒。
いの一番でテレビを当ててしまった人は、運を使ってしまったことになる。実に不運。
「多分、もう死んでいる」と言うきたろう。運を使い尽くしてしまったから。
人間の幸運の量は決まっている。変なところで運は使いたくないなあ
そんな話を互いに始める。
(一言感想:ちょっと前のコントと繋がるのが良いですね。堪能)

(収録時間:99分/コロンビア)

●感想
今と違って、ちょっと腰が落ち着いてしまったシティボーイズが見られます。
この三年後くらいにいとうせいこう斉木しげるが入って、一気に若々しさが出るので。
かなり大人しいコントの連発。大竹は今より老けて見えます。
大人の魅力を詰め込んだような。

●評価:★★★☆☆(かなり人を選ぶ内容だと思います)

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