菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

『全日本コール選手権3 with浅草キッド』

全日本コール選手権3 with 浅草キッド全日本コール選手権3 with 浅草キッド
(2008/07/23)
浅草キッド

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若手芸人によるお笑いDVDシリーズ“笑魂”第三期として発売された五作品の感想を書き終えた僕は、とにかく疲れていた。自らに与えた試練とはいえ、「一週間で五枚のDVDの批評文を書き上げる」を実行するのは思ったよりも難しく、辛い作業だった。苦労自慢をしているようで悪いが、本当に辛かったのである。

そんなわけで僕は、すっかりプロの笑いを見る気力を失った。漫才もコントも、しばらく自分には必要ない。ただ、いっさいの分析を必要としない、くっだらないものが見たかった。プロのキッチリとした笑いではない、アマチュアのユルリとした笑いが。……と、そんな時に見つけた『全日本コール選手権3 with浅草キッド。おおっ、そういえば笑魂DVDと一緒に買ったっけ。せっかくだから、見ることにした。

「全日本コール選手権」とは、全国の有名大学サークルが飲み会の席で行われる“一気コール”を競い合う大会だ。2005年に第一回大会が行われ、その後は年に一度のペースで開催されている(但し2007年には開催されていない)。本作は第三回大会決勝の様子を収録したものだ。実況は矢野武、解説は浅草キッドが担当。

感想。いやー、笑った。腹ァ抱えて笑ったもんね。もう、とにかく下らない。男も女も、全力で下らない。こんなに下らない連中が大学なんか通ってるんだから、日本も終わりだね(笑) でも、そんな下らないことに全力を注いでいる若者たちの姿は、思った以上に美しい。そうなんだよなあ。こういう意味の無いことに全力を注いでこその、青春なんだよなあ。

それにしても、今年の大会は熱かった。過去の大会で好成績を残してきた“リベンジ”チームあり、これまでの「全日本コール選手権」を見て応募してきた“コール選手権チルドレン”チームあり、高学歴なメンバーが揃った“医学生”チームあり、コールのプロとも言える“ホストクラブ”チームあり……そんな彼らが、過去二大会で優勝している“男子寮”に立ち向かっていく様は、実に熱かった。あんまり熱くって、脱ぎだす女性なんかもいたりなんかしちゃったりして。

とにかく爆笑、爆笑、また爆笑。笑いすぎて、目頭がちょっと熱くなっちゃった。……いや、これは感動していたのかもしれない。やっぱりさ、年を取るとこういうバカバカしいことって出来なくなっちゃうんだよね。だから、なんというか……「僕にも、こういう時代があったなあ……」みたいなことを思っちゃった。クゥ~。

出演者は全員酔いどれ、右へ左へ下ネタ飛び交い、舞台にはノリだけが混在。冷静に見れば、とんでもなく狂気的な空間でありながら、とっても楽しく、優しく、切なく、熱い。先にも書いたが、これこそ青春だ! 行っとけ! Play Call!(無礼講!)