菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

アンガールズとチェルニー

アンガールズの単独ライブ、第二弾。DVDとしては、『ナタリー』『88』に続く三作品目になります。内容は、過去の公演と同様。最初のほうに、テレビでも披露されていたような、いかにもアンガールズブランドなコントを持ってきておいて、後半は少し新しいチャレンジをしたコント+ロングコントという流れ。

最初のほうに持ってきた、プロテストに出してもらえないボクサーの葛藤をまったく描かない『ボクシング』、学校の写真部所属の二人が繰り広げる、青春の二文字がまったく読み取れない『写真部』の二本は、やはり安定した出来。テレビでも披露されたコントでもあり、実に安心して見られる感じに仕上がっておりました。それでいて、特殊な設定で挑んだ、不幸なことばっかりの人生を送ってきた男の晴れ舞台を悲哀ゼロで描いた『男ののど自慢』、昼間の主婦たちがパチンコ屋に吹き溜まる『パチンコ』も、コンビとしてのハイクオリティを発揮したコントになっており、実に充実した内容になっておりました。特に『パチンコ』は、主婦の日常会話を断片的に切り抜いたコントに仕上がっていて、「お前らは次世代のイッセー尾形になるつもりか!?」とすら感じさせられる出来でした。

ただ、どうにもこうにも……最後のロングコント『引越し』が……うーん。ヤクザが絡むコントというのは、嫌いじゃないのですが……むー。こういう、脅迫概念というか、妙な圧迫感を覚えるコントというのは、どうも苦手です。田中さんをないがしろにしたコントは、それほど嫌いではないのですが。どーも、こういう終わりかたのコントは苦手なのです。

そんなわけで、この公演はあまり僕の中で良い印象がありません。いや、面白いンですよ? 総合的に見てみれば、かなり面白い公演なんですよ。ただ、この最後のネタによって、僕の印象は実に良くないのです。ああ、勿体無い。