菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

ダサかっこいい『I LOVE TOKYO』

ダイノジ I LOVE TOKYO [DVD]

ダイノジ I LOVE TOKYO [DVD]

2007年11月10日。その日、僕は広島にいた。母校で行われる大学祭を見に行くためである。……まあ、実際に見たかったのは、大学祭で行われるお笑いライブだったのだが。その日のライブにはTHE PLAN9勝山梶、フロントライン、スマイル、優駿が出演することになっていた。ところが、僕が広島に到着したのは正午だったのに対し、ライブが行われる予定時刻は午後六時。それまでの時間を後輩たちと戯れるのも良いけれど、あまり早く行き過ぎると迷惑をかけてしまうのではないかと思い、しばし広島駅近辺をブラブラすることにした。最初に向かったのは、広島滞在時によく利用していたフタ○図書だった。で、そこの中古屋コーナーで見つけて買ったのが、この……なんだ、この前フリ。まあ良いや。その時に買ったDVDこそ、ダイノジの単独ライブDVD『I LOVE TOKYO』である。
ダイノジの単独ライブは、過去に二度DVDになっている。最初に発売されたのは、『俺道』(2004.01.28)。これは、様々なコントが羅列する中に少しずつ繋がりを見せていくという構成は上手かったけれど、コント自体の主張が強すぎるため、あまり一般向けの内容ではなかった。続いて発売されたのが、『KING OF LIVE』(2004.12.22)。10周年記念ベストコントライブということもあり、『俺道』と比べると圧倒的に一般ウケする内容にはなっていたけれど、まだまだ二人の世界が濃厚に吐き出されたものであり、これは初心者向けではなかった。結局のところ、ダイノジの世界というのは、どうしてもこってり濃厚になってしまうということか……と思っていたのだけれども、この『I LOVE TOKYO』は、なかなか一般ウケの出来る内容だったんじゃないかなあ、と。
例えば、実際のライブではオープニングコントだったらしい『兄弟盃』は、任侠の道に生きる人たちが軽いノリで会話を交わすという、ギャップの笑いを主軸にした分かりやすいものだったし、某ドラマのパロディコント『キャラなし刑事』は、キャラクターの薄い男にどうにかあだ名を付けようとするボスの奮闘っぷりがシンプルに笑えた。これ以外のコントも、同様。とにかく、分かりやすく笑えるコントが羅列している。
どうして、ダイノジのコントは分かりやすくなったのか。その理由は、恐らくダイノジのブレインである大谷ノブ彦が結婚し、家庭を持つようになったからではないかと僕は思う。よく、芸人は結婚すると面白くなくなるというが、ダイノジに関しては、独身時代に発散していたナルシスト臭さが薄まり、良い効果となったようだ(昔ながらのファンには物足りないかもしれないが)。
そんなわけで、今回のライブDVDはダイノジを知らない人にも薦められる内容になっていたと思う……思うけれど、このジャケットだから、やっぱり薦められないかなー。

・本編(110分)
『M-1ダイノジ』『OP』『兄弟盃』『祭〜本匠村物語〜』『肥満児ネーション』『キャラなし刑事』『Betty&Brian』『TAXI』『監督くん』『おおちようすけ改名』『力道谷列伝』『がんばらなくっちゃ!!』『おじさんは首領』『真・声を出して読みたい日本語』『エレベーター』『ダイノジ漫才』『エンディング』
・特典映像(38分)
『豚ひろし』『カリスマAV男優』『ドキュメント おおち33kmバースデイマラソン 2005.7.13』
・ダイノジによる副音声

ちなみに『エレベーター』は、爆笑オンエアバトル第四回チャンピオン大会ファイナルで披露されていたコントの改良版。そういえば、もう「不良と小西」コントはやらないのかなあ。