『U-1グランプリ CASE01【取調室】』
U-1グランプリ CASE01『取調室』 (2007/08/17) U-1グランプリ 商品詳細を見る |
元ジョビジョバリーダーのマギーと、『The 3名様』の脚本・監督をしている放送作家福田雄一によるワンシチュエーションコントユニット“U-1グランプリ”の第二弾DVDが出るので、第一弾を振り返ることにした。第一弾のシチュエーションは「取調室」。出演は、上記の二人に加えて、佐藤二朗、八十田勇一、つぐみ、平成ノブシコブシの七人。
脚本・演出を担当している二人が二人ともテレビ寄りであるためか、コントの内容はとても分かりやすい。特に福田が『ココリコミラクルタイプ』で培っていたコント観が、大いに反映されていた感。紅一点のつぐみが演じる様々な女性たちのキャラクターが、どうもそういう印象を強くさせていた。刑事への昇進試験としての取調べの容疑者として被験者のかつての恋人が登場する「元カレ」とか、自供した容疑者の女性が事件の流れをちゃんと語ってくれない「奥さん」とか。女性特有のイヤらしさとドス黒さを強調しつつ、コミカルに描く技術力の高さは、流石と言うべきか(ひょっとしたらマギー脚本なのかもしれないけれど)。
一方で、ナンセンスなシチュエーションコントも多かった感。取調室専門のイメージクラブの様子が描かれた「イメクラ取調室」、窃盗の容疑で逮捕された男が塁も盗んだのではないかと追求される「盗塁王」、被害者の身体の上に残っていた容疑者のアレが問題となってくる「チン毛」など、とにかくナンセンスで下らなかった。
そういったコントを、役者としての技術を十二分に持っている人たちが演じるんだから、たまらない。特に、コミカルな役どころを演じると尋常じゃないほどの手腕を発揮する劇団ちからわざ主催・佐藤二朗と、コミカルからシリアスまでメリハリある演技で見せる劇団そとばこまち出身・八十田勇一の中年二人が素晴らしいものだった。もちろん、他の人たちも検討していたけどね。でも、この二人が圧倒的だった。キャラも立ってるし、脚本家としてもイジリやすかったんだろうなあ。
第二弾のシチュエーションは「厨房」。なんとなくKKP『Sweet7』を思い出す。出演はマギー、福田雄一、長谷川朝晴、原史奈、小松和重、上地春奈(キャラメルクラッチ)、春海四方の七名。今回もコミカルな舞台が展開してくれると良いなあ。
・本編(103分)
「説明下手な男」「Opening」「元カレ」「イメクラ取調室」「作家・八木の世界」「気配り」「ロボット刑事ゲイ」「奥さん」「作家・八木の世界 2」「新人研修」「平泉W」「署長」「作家・八木の世界 3」「盗塁王」「チン毛」「ダウトを捜せ!」「作家・八木の世界 4」「Ending」
・特典
副音声「福田雄一とマギーによるコメンタリー」