笑魂『ザ・ゴールデンゴールデン GOLDEN A GO!GO!』
ザ・ゴールデンゴールデン「GOLDEN A GO!GO!」 [DVD] (2009/11/26) ザ・ゴールデンゴールデン 商品詳細を見る |
今回リリースされた“笑魂”シリーズ五枚を振り返ってみると、いずれも尋常じゃない個性を振りまいている芸人ばかりだということに、改めて気付かさせられる。例えばビーグル38は、老人キャラの漫才ネタを得意とするユニット。いとうあさこは39歳の南ちゃんを演じるピン芸人だし、テンゲンはマッチョがいるコンビ。ゆりありくは猿と人の漫才師。どの笑いも、決して他人が真似できないスキマ産業な笑いばかりだ。
そんな個性的な面々に囲まれているために、逆に存在感が浮き彫りになってしまっているユニットがいる。ザ・ゴールデンゴールデンだ。所属事務所であるワタナベエンターテインメントが、我が家の次に売り出そうとしているトリオコント師で、オンエアバトルやレッドカーペットにも何度か出演したことがある。レッドカーペットでは、よくきたざわの特異な顔面をオチに用いたショートコントを披露しているために、顔だけのイメージが浸透しているかもしれないが、コント師としての地力はなかなか強い。今年のキングオブコントでは惜しくも三回戦敗退となったが、いつか準決勝に進出することが出来るだろう、有望なトリオだと言えるだろう(志が低い?)。
『GOLDEN A GO!GO!』は、そんなザ・ゴールデンゴールデンにとって、初めての単独映像作品に当たる。オンエアバトルやレッドカーペットで披露してきた九本のコントに加え、幕間には謎のドキュメンタリー「プレスリーは生きていた!!」、特典映像には山崎昇にドッキリを仕掛ける「山崎はどんな時でもハンサムなのか?」三部作が収録されている。
収録されているコントは、文化系なのに熱血な部員が揃っている『オセロ』、嫁不足の村を救うために一人の男が旅立つ『上京』、告白しようとする男の友達が「妥協するな!」と告白を止めようとする『告白』など、幾つものコミカルなシチュエーションの上で、独特の風味あるキャラクターが暴れ回るネタで、非常に面白かった。恐らく、今回リリースされた“笑魂”シリーズの中で、今作が最もアクが無く、全体的に安定感のある作りになっていたのではないだろうか。
ただ惜しむらくは特典映像の「山崎はどんな時でもハンサムなのか?」。一本目と二本目は笑えたのだが、三本目で山崎の自宅を改造するというドッキリは、ちょっとばかりいただけなかった。部屋の中に石庭を作ったり、女の子が来たときのためのカシスオレンジを溜めておく水槽を設置したりするのは面白かったんだけど、コレクションの貴重なアナログレコードをダーツの的にしたっていうのは……流石にアレだなあ、と。お笑いDVDコレクターとしては、ちょっとばかり気になってしまったなあ。
・本編(34分)
「ラグビー部」「ピンチ」「オセロ」「上京」「ラーメン」「告白」「ラブレター」「毒ヘビ」「コンビニ」
・特典映像(49分)
「ドキュメント プレスリーは生きていた」※本編幕間映像まとめ
「山崎はどんな時でもハンサムなのか?」
~偽雑誌取材編~
~偽番組オーディション編~
~最終章~