菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

聞け、耳。『紳竜の研究』二枚目<紳竜の証>

紳竜の研究 [DVD]

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紳助竜介がコンビを結成したのが、1977年。コンビを解散したのが、1985年。その8年間に、彼らの漫才が最も輝いているとされているのが、1980年から1982年の間……紳竜の研究』二枚目は<紳竜の証>として、紳助竜介がその3年間の間に披露してきた漫才の11本アーカイブスを収録している。更に漫才の解説として、島田洋七のコメンタリーを副音声で収録し、一種の漫才教科書の様な内容になっているといえる。映像資料という意味で、<紳竜の絆>第二章<手段>と繋がっているように思える。そして、肝心の内容は、その漫才が披露された頃の紳助竜介の状況を書いた解説文と漫才映像を数珠繋ぎにした、資料的価値の高いものになっている。そして、ここからは個人的な感想になるのだけれども……どうも紳助竜介というコンビの漫才は、初期のもののほうが勢いがあって面白いように思う。見栄を張って不良ぶっている紳助と、素人臭い雰囲気を常に出している子分肌の竜介。二人だからこそ出来る漫才は、現在でも十二分に楽しむことが出来る。これのために買っても良いんじゃないかとさえ思える。ところで余談になるが、とある漫才のネタ中に他の演者の顔が映し出されたりする番組の構成には驚いた。紳竜の漫才を真剣に見るB&Bと、やや高い位置から見ている横山やすし・西川きよしの姿は、妙に印象的だった。
そして特典映像には、『ズームイン!!朝!』でコーナーを担当していた紳助竜介の当時の映像と、島田洋之介一門の芸人が集った回の『花王名人劇場』での二人の漫才を収録している。こちらは、紳竜を知る人にとってはヨダレモノの映像と言えるのではないだろうか。紳竜を大して知らない新参から、彼らのことを見つめ続けた演芸好きまで、しっかり楽しめる内容になっている『紳竜の研究』。これ以上、紳助を儲けさせるのは気に入らないが、芸人を志している人間なら、これは見ておいたほうが良い。

・本編
「花王名人劇場「青春の叫びPart.2 アナーキー編」」「THE MANZAI?」「THE MANZAI?」「花王名人劇場「爆笑! 暴走族入門」」「THE MANZAI?」「花王名人劇場「青春の叫びPart.3 スポーツ編」」「花王名人劇場「ビバ!!スポーツ」」「花王名人劇場「青春の叫び」」「THE MANZAI?」「THE MANZAI?」「THE MANZAI?」
・特典
「島田洋七による漫才の副音声解説」
「ズームイン!!朝!紳助・竜介のOSAKAあっちこっち」」
「花王名人劇場「ああ青春日記」」
・収録時間:107分+特典映像13分