色んな意味で泥酔するど『だるま食堂DVD大作戦』
- 出版社/メーカー: ビデオメーカー
- 発売日: 2007/07/04
- メディア: DVD
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だるま食堂は、黄色い髪のダイアナこと星野理恵、リーダー格で緑色の髪のルーシーこと森下由美、ピンク色の髪のマリアことさとうかずこの三人によって結成されたお笑いトリオだ。彼女たちは、いわゆるバラエティ番組などには殆ど出演していない。以前、『エンタの神様』に出演したことがあるが、その時に披露した『51音マンボ』がラーメンズのパクりではないかと言われたためか、一度きりの出演となった。ちなみに、だるま食堂はラーメンズよりずっと以前から活躍しているユニットであり、遥か昔に同ネタを見たことがあるという人もいるらしいので、彼女たちがパクった可能性はほぼゼロと言えるらしい。もう一つちなみに、この『51音マンボ』はDVDに収録されている。気になる人は、購入を考えても良いのではないだろうか(破格の2,000円)。彼女たちの主戦場は、いわゆる演芸場と呼ばれる舞台だ。牧伸二やチャーチーカンパニー、サムライ日本などと共演しているらしい。
さて、このだるま食堂。見た目の奇抜さゆえに、ネタのほうはそうでもないんじゃないか、という印象を少なからず与えられる。なにせ、黄色・緑色・ピンク色の髪である。異常に肥大した胸と尻である。単なるイロモノ芸人と考えられてしまうのも、仕方ないといえば仕方ないかもしれない。しかし、演芸場というシビアな舞台で戦い続ける彼女たちである。単なるイロモノ芸人であるはずがない。
だるま食堂のネタは、とにかくリズムとノリを重視したものが多い。先に書いた、様々な状況に対する反応を51音で表現する『51音マンボ』を初めとして、ラップで気まずい状態での微笑みを再現する『オザナリの微笑』、奇抜な衣装を思う存分に利用したバカソング『違うの』『ボインボインナイトテーマソング』など……歌のノリだけで成立しているかのようなナンセンスソング(永井佑一郎ではない)が、実に上手い。一方のコントも、イケメンの患者を三人の看護婦が取り合う『小田切さん』や、一人ぼっちで遭難していると勘違いしている三人の模索する様子を描いた『おーい、誰か』の様な、オーソドックスな内容のものが多く、広い世代に受け入れられることを要する小劇場・演芸場での歴史を感じさせられる。
昨今のお笑いブームにおいて、ここまで奇抜で、ここまで裏打ちされた実力を感じさせてくれる芸人は、どれだけ存在しているのだろうか。奇抜さなら負けない芸人も少なくないと思うが、裏打ちされた実力については……まだ分からない。今、奇抜なスタイルで注目されている芸人たちの、どれだけがだるま食堂の様になれるだろう。ひょっとしたら、彼女たちの様な芸人は、もう二度と登場しないかもしれない。活動年数不明、だるま食堂。彼女たちの活躍の日々は、まだ終わらない。
・本編(58分) 『オープニング』『先生』『誘拐』『ダンス登場』『テーマソング』『違うの』『51音マンボ』『オザナリの微笑』『私たちの秘密』『おーい、誰か』『小田切さん』『歩み』『ボインボインナイトテーマソング』『サンバ』『聖者の行進』