菅家アーカイブ

過去のブログで書いてきたお笑いDVDレビューをまとめました。

うーん…『つかじの無我 〜12人の証言者〜4』

つかじの無我 ~12人の証言者~ 究極版 第4巻 [DVD]

つかじの無我 ~12人の証言者~ 究極版 第4巻 [DVD]

終わった。遂に終わった。ドランクドラゴン塚地武雅を中心に繰り広げるアドリブドラマシリーズつかじの無我の最終巻が、遂に発売された。四ヶ月連続リリースの全四巻なんだから、あっという間に終わったと思うべきなんだろうけれど、なんだか長く感じる。途中から、あんまり期待していなかったからかもしれない。でもね、それでも僕はそこそこに期待していたつもりだったんだよねえ……えー。だからね、なんと言いますか。いやー……最終巻。なんか裏切られたような、そんな感じだったんだなあ、うん。
最終巻の今回、これまでは一枚に三話ずつ収録されていたエピソードが、最終巻だからって気前良く、四話ほど収録されている。でも、ゲストは三人。温水洋一水野美紀ラサール石井の三人。そんで、最終話はゲスト無しで、塚地の推理オンリーの話になっている。……まあ、それは良いんだけどねえ。とりあえず、各自の感想を簡単に書く。
温水洋一は、序盤はなかなか良かったのだけれど、だんだんと他の出演者がでしゃばってきたからか、ちょっと印象が薄い。最終的に、きたろうと鈴木ばっかりが目立ってしまったなあ。水野美紀は頑張っていた。暴力的な容疑者の恋人という設定はかなり事件性があったし、キャラクターも完成されていた。……しかし、その印象はラサール石井に完全に持ってかれてしまった。伊達に舞台活動やってないなァ……。ストリップ劇場の上司を演じていたのだけれど、これが良い感じに危険な匂いが出ている。如何にもカタギじゃないって感じの匂いで、なんとも危ない。いつ塚地が掴みかかられるか、ドキドキして観た。……と、ここまでは良かったんだ。問題は、この次。この次の、最終話。
最終話は、先にも書いたけれど、塚地がこれまでの出演者から犯人を選び出すという話。きたろうが聞き役になって、これまで出演した容疑者たちから消去法で犯人を搾り出していくんだけれど……まあ、これは良い。問題は、この推理の後。思わぬ展開がある。この思わぬ展開、面白いといえば面白く、実際に僕は大笑いしたのだけれど……何かが釈然としない。これまで、この番組はガチンコのアドリブ劇を繰り広げてきたはずなのに、どうして最後に、そんな予定調和的なエンディングを持ってきちゃうのか……なんというか、裏切られたような気持ちになった。
まあ、それは置いといて。とりあえずシリーズを見通してみたけれど、うーん……やっぱり、塚地武雅の番組」というより、「きたろうの番組」みたいだったなあ。やっぱりさ、こういうアドリブ性が問われる番組ってのはさ、出演者がどれだけ自由に動けるかってのが、大事だと思うわけだ。で、実際この番組では立場がある塚地より、自由に動き回れるきたろうのほうが、楽に自由に楽しげに、面白おかしくやってた。だからさ、これはもう、作り手の不備だよね。塚地をメインでやりたいんだったら、こういう連続モノでやるべきじゃない。それこそ、『スジナシ』の様なオムニバスでやらないと。うーん。だから、このシリーズの購入及び視聴、僕はあんまり……オススメしないなあ。今更だけど。これを観るくらいなら、『epoch TV square』(バナナマン×おぎやはぎ)を観たほうが面白いし、楽しいよ。うん。作りこんであるし。いやー……残念だった。

・出演
塚地武雅・きたろう・鈴木拓
・ゲスト出演
温水洋一水野美紀ラサール石井
・特典映像
「つかじの無我 座談会」(塚地×きたろう×鈴木)
・収録時間:約172分